ナンピン買いとは?概要や有効なタイミング、メリット・デメリットについてわかりやすく解説

ナンピン買いとは?概要や有効なタイミング、メリット・デメリットについてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で

「ナンピン買いって何?概要や有効なタイミングについて知りたい。」
「ナンピン買いのメリット・デメリットについて知りたい。」
「ナンピン買いで失敗しないコツについて知りたい。」

このように思われている人も多いのではないでしょうか?

当記事ではこのような悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

それでは解説していきます!

ナンピン買いとは

株価が下がった場合に、平均取得価格を低下させるのを目的に、その株を追加で購入する投資における戦略です。
はじめに株を投資家が購入した後に、購入した株価が下落した場合、より安い価格で同じ株を買い増せば、保有する株全体における平均購入価格を低下できます。

それによって、再び株価が上がった際に利益を獲得できる可能性が高いです。
しかし、さらに株価が継続して下がる可能性もありますので、ナンピン買いをする場合は十分慎重に行わなければなりません。

投資家は、自分のリスク許容度と投資戦略を考え、実際にナンピン買いするのか判断することが大切です。

買い増しと異なる点

買い増しは、名前の通り保有する銘柄を、追加で購入し保有数を増やすことです。
保有する株式の枚数を増加させる行為そのものです。

株価が上がっている際に購入する場合も、株価が下がっている際に購入する場合も、どちらも「買い増し」に該当します。

ナンピン買いに関しても、保有銘柄を追加で購入するため、そのような面に関しては「買い増し」と同じですが、目的が平均購入単価を低下させるためですので、「株価が購入した時の値段に比べ下がった時」と購入のタイミングが限られています。

ドルコスト平均法と異なる点

ドルコスト平均法は、定期的に設定した金額で買い付ける投資の手法です。
株価が安い場合は多くの株式を購入し、反対に高い場合は少量の株式を購入することによって、購入する価格が平均化されるため、高値掴みしてしまうリスクを下げられます。
そのため、損失が大きくなるリスクが低い仕組みです。

前述したように、ナンピン買いも株価が購入した時の値段に比べ下がった時に、追加で購入し、平均単価が下げられるため、似ている部分もあります。
しかし、ドルコスト平均法の場合は、株価が上がっている場合でも購入します。

ナンピン買いでは、原則株価が購入した時の値段に比べ下がった時に購入するため、この購入タイミングが違うため理解しておきましょう。

ナンピン買いで有効なタイミング

大きく株価が下落した際は、ナンピン買いを実施したくなる人も多いかと思いますが、一時的な価格の下落か判断することは、専門家でも困難です。
相場が下がっている場合、ナンピン買いを実施するタイミングの検討よりも、できるだけ損失を大きくしないために、損切りを優先して考えてください。

その一方で、相場が下がっていたところから、上昇する予測ができた時点でナンピン買いするのは、効果的なタイミングです。
株価がそのまま上がった場合、ナンピン買いの実施により平均的な取得の価格を低下させたことで利益が得られます。

利益をできるだけ大きくしたい場合は、相場が下がりきったところが、ナンピン買いを実施する最も効果的なタイミングになります。
しかし、実際にはどこが下がりきったところなのかは、その後にしか分からず、あくまで予測しか立てられません。

株価が下がっている際には、損切りを最優先で考え、株価が上がってくると予測ができた時点でナンピンしてください。

ナンピン買いのメリット

ナンピン買いのメリットは、以下3つです。

銘柄を購入する際の平均単価が下げられる

ナンピン買いの実施により、銘柄を購入する際の平均単価が下げられます。
平均単価が下げられれば、利益を獲得しやすくなります。

また、近年取り組む人が大幅に増加している積立投資も、違った面でナンピン買い効果があるのです。
積立投資の場合、一定の金額分を毎週や毎月といった設定した日付で購入する方法です。

購入金額が定められており、株価が安い場合も高い場合も購入します。
株価が安い際に購入することによって、平均単価が下げられるため、長期で行うほど購入する際の平均単価が安定します。

さらに、さまざまな資産に対し分散投資することで、より価格を安定させることが可能です。

損失を減らせる

1株取得する平均単価が下げられるので、株価が下がった際に生じる損失を抑えることが可能です。
株の購入を行った後に、株価が下がったタイミングでナンピン買いを実施し、株価がその後上がった場合、ナンピン買いを実施しなかった場合よりも損失は少ないです。

その後さらに株価が下がる可能性はあるものの、ナンピン買いを効果的に使えれば、損失を減らせます。

株価が上がれば利益も増える

取得する際にかかる平均価格は、できるだけ安く抑えられるほど、株価が上がった際に大きな利益を獲得できます。
さらに、ナンピン買いによって銘柄を保有している数が増加しているので、1円価格が上昇した場合でも、獲得できる利益が大きくなります。

投資するタイミングと銘柄を判断することによって、損失が減らせることに加え、その後の株価が上がった際に、より利益を大きくすることが可能です。

ナンピン買いのデメリット

ナンピン買いのデメリットは、以下3つです。

強制的に損切りとなるリスク

ナンピンで保有数を増やしたり、価格が予想していた方向と反対に動くのが続いたりした場合、証拠金維持率が低下します。
証拠金維持率が低下し低い場合、より大きい逆行となった際に強制的に損切りとなるリスクがあります。

そのため、ナンピンする場合は、資金管理を慎重に行う必要があり、証拠金維持率が万が一下がっている際は、追加で証拠金を準備しなければなりません。

1つの銘柄に集中投資してしまうリスク

ナンピン買いにより利益を獲得することばかり意識してしまうと、1つの銘柄に集中投資してしまう可能性が高いです。
1つの銘柄に集中投資してしまうと、その他の銘柄を買うための資金が足りなくなり、1つの銘柄にしか投資を行えない機会損失となってしまうため注意する必要があります。

また、同銘柄に対し追加で投資を行う手法ですので、集中投資になります。
利益を大きく獲得できる可能性がある集中投資ですが、その一方で株価が下がった際には大きな損失になるため、リターンが大きい分リスクも大きいです。

1つの銘柄に対し集中して投資した場合、リスクヘッジが不可能ですので、他の銘柄へ分散させることも検討しましょう。

精神的負荷が大きい

ナンピンの場合、損する方向に対しポジションを増加させる手法です。
そのため、価格が上がるまでは、増加したポジションの分、損失も大きくなるということです。

このような含み損を抱えた状態は、なかなか精神的負荷が大きくなります。
こういった精神的負荷は、トレードだけでなくプライベートなどにも影響する可能性がありますので、ナンピンを行う際は十分注意し、慎重に行ってください。

ナンピン買いで失敗しないコツ

ナンピン買いで失敗しないコツは、以下3つです。

損切りラインを決める

資金に余裕がある場合、かつ株価が今後上がることが予測される際に実施する手法になります。
特に根拠はないけれど、株価が上がりそうな気がするといった考えで実施するのは危険ですので絶対にやめてください。

信用取引を実施している場合であれば特に、ナンピン買いを何度も実施した場合、すべての資金を失ってしまうこともあります。
ナンピン買いを実施する際は、損切りを優先して考えておきましょう。

株価が下落する度に何度もナンピン買いを実施していると、その分大きな損失に繋がる可能性も高くなります。
株式投資において失敗する理由の多くは、大きく株価が下落している場面でも、損失を認めるのが怖く、損切りがなかなかできないからです。

「もう少し待てば価格が上がるかも」と考えている間にも損失が膨らんでいき、決済を決め売却したタイミングでは、すでに損失が大きくなっていることは少なくありません。
このような事態にならないためにも、「投資している金額に対し、何%以上の金額になった場合には必ず損切りする」といった自分なりのルールを事前に定めておかなければ、株価が下落している場合にも売却できないものです。

人には、損失を避けたいという性質が備わっています。
含み損が大きくなっているにも関わらず、損失となることを嫌い、価値が下がった銘柄を売却するのを避けようとしてしまいます。
また、自分のミスを認められないプライドから、損切りできないことも多いです。

しかし、投資する上では、自分のプライドを傷つけないことではなく、自分の大切な資金を守ることが大切です。
しっかりとした根拠を持ち、「株価が今後上がってくる」という明確な理由がない場合は、損失が大きくなってしまう前に、できるだけ早く損切りしましょう。

ナンピン買いの階数を決める

資金に余裕があればあるほど、大きな利益獲得を求め、何度も繰り返しナンピン買いを実施したくなる人も多いです。
しかし、必ず成功する手法ではないため、頻繁に大きな資金を使いナンピン買いを実施してしまった場合、株価が上がらず下がり続けた際に損失が大きくなります。

株価が上がってこないことで、多額の損失を被ったり、長期間塩漬けしたりしてしまう可能性があります。
このような事態を回避するためにも、回数や金額について、事前にルールを定めておくのがおすすめです。

資金管理を徹底する

ナンピンを実施する場合は、証拠金維持率や証拠金余力などを徹底的に管理することが大切です。
証拠金が余裕であり、徹底した資金管理を行い、ポジションを計画的に増加させている場合は、強制的に損切りされるリスクを減らせます。

しかし、含み損がある間は、資金が拘束されてしまうため、一長一短の戦略です。

ナンピン買いは中長期での投資におすすめ

ナンピン買いは、投資を中長期で検討している際に効果的な手法です。
理由は、相場が下落した後に追加で投資を行ってから、株価が上がってくるまで待機できる時間が多く取れるからです。

毎月決まった金額で購入する銘柄を、相場が下がっている際に追加で購入することで、取得する際の平均価格が下がります。
ナンピン買いを実施する際は、中長期的に株価が上昇する可能性があるか分析することが大切です。

また、配当が高い銘柄の場合も、ナンピン買いに向いています。
理由は、配当が高い銘柄を低価格で購入可能ですので、分配金や配当などが増やせるからです。

そのため、中長期で投資を検討している際は、上手くナンピン買いを活用することで、利益を増やすことが可能です。

まとめ

ナンピン買いとは、株価が下がった場合に、平均取得価格を低下させるのを目的に、その株を追加で購入する投資における戦略です。
相場が下がっていたところから、上昇する予測ができた時点でナンピン買いするのが、効果的なタイミングです。

ナンピン買いには、銘柄を購入する際の平均単価が下げられる、損失を減らせる、株価が上がれば利益も増えるといったメリットがあります。
その一方で、強制的に損切りとなるリスクがある、1つの銘柄に集中投資してしまうリスクがある、精神的負荷が大きいといったデメリットも存在します。

ナンピン買いでは、損切りラインを決めたり、ナンピン買いの階数を決めたりすることで失敗する確率を下げることが可能です。

ナンピン買いに興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている方は、ナンピン買いの概要やメリット・デメリット、失敗しないコツについて十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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