ボリンジャーバンドとは?計算式や使用方法、使用時の注意点についてわかりやすく解説

ボリンジャーバンドとは?計算式や使用方法、使用時の注意点についてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で

「ボリンジャーバンドって何?概要や計算式について知りたい」
「ボリンジャーバンドの使用方法について知りたい」
「ボリンジャーバンド使用時の注意点について知りたい」

このように思われている人も多いのではないでしょうか?

当記事ではこのようなお悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記のお悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

それでは解説していきます!

ボリンジャーバンドとは

米国投資家のジョン・ボリンジャー氏によって、1980年ごろに考案された指標であり、考案者である「ボリンジャー」の名が利用されています。

移動平均に対し、株価が乖離と回帰を何度も繰り返すことで、標準偏差内となります。

そのため、株価が激しく上下するマーケットのボックス相場と、一定方向に株価が向くマーケットのトレンド相場の両方で利用されます。

株価の反転方向や目安、勢いの変化について確認するための指標であり、統計学(標準偏差)を利用していることが特徴です。

株式投資においては「できるだけ安く購入し、できるだけ高く売却する」、「できるだけ高く売却して、できるだけ安く買い戻す」ことが基本になります。しかし、現時点での株価は本当に安いのか、高いのかなど適正価格の判断が難しく、売り買いのタイミングの見極めも非常に困難です。

株価が下落し続けており割安だと思っても、実際に購入してみると、購入した直後に株価が下落するということは少なくありません。

標準偏差を使い、統計的に適正価格を求めるのがボリンジャーバンドです。

具体的には、これまでの株価推移および平均値から、どの程度乖離した場合(もしくは近づいた場合)に株価の反転が起きるか確率で表します。

標準偏差を使うため、難しいイメージを持ってしまう人も多いですが、チャート上で一目でわかるため、株式投資以外にFXでも使用される指標です。

ボリンジャーバンドの計算式

計算式を理解するためには、はじめに標準偏差を求める方法を知っておく必要があります。

標準偏差の計算式は、以下の通りです。

【計算式】

√(n×n日間における終値を2乗した合計-n日間における終値の合計を2乗した値)÷(n×(n-1))=標準偏差

標準偏差は、特定のデータが持つ特徴を判断するために使われる手法です。

平均値をベースに、どの程度データにばらつきがあるのかを示しています。

偏差はそれぞれのデータと平均値との差のことであり、例えばデータが80、平均値が50であれば、偏差は+30になります。

標準偏差は、この前述した偏差がどの場所に集中しているのかを示しているため、標準偏差の数値が大きくなるほど、データにも大きなばらつきがあり、小さい場合はデータも小さなばらつきという判断が可能です。

ボリンジャーバンドでは、一般的に±1・2・3σ(シグマ)の3段階指標になります。

標準偏差について理解できたところで、いよいよボリンジャーバンドの計算方法です。

計算式は、以下の通りです。

【計算式】

±1σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差

±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2

±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3

引用:マネックス証券「ボリンジャーバンド

上記の計算式から、±2σと±3σの場合、90%を超える確率で価格が範囲内に収まると判断できます。

しかし、急な価格変動やトレンド相場が起きた際は、範囲から外れることもあります。

判断方法

以下、2つの判断方法を解説します。

順張り

順張りの際は、ボリンジャーバンドを使いトレンドを探すことが必要です。

トレンドを探す場合は、標準偏差と移動平均線を使います。

標準偏差は、一定の期間における値幅の大きさを表します。標準偏差が大きくなると相場が変動するので、トレンド発生の予想が可能です。

移動平均線は、一定の期間における価格の平均を表します。したがって、移動平均線が上昇した際には上昇トレンドと予測できます。

標準偏差が大きくなったり、移動平均線が傾いたことを確認できた際は、ローソク足を確認し売買するポイントを判断します。

ボリンジャーバンドを使った順張りの場合、価格が標準偏差を超えたタイミングがポイントです。

そのため、標準偏差を価格が下回ったタイミングでのショートエントリーがおすすめです。

利益を確定する目安の場所は、標準偏差が小さくなったのを確認できたときがポイントです。

標準偏差が小さくなることは、一定の期間における値幅が小さくなったことを表します。

値幅が小さくなった場合、相場も小さな動きになっていると判断可能なため、トレンドが終わることを予測できます。

そのため、標準偏差が小さくなった場合は、利益を確定するようにしましょう。

逆張り

逆張りを行う場合は、順張りのようにトレンド相場を探さず、レンジ相場を探す必要があります。

レンジ相場を探す場合は、並行に移動平均線が推移している場所と、標準偏差が小さくなっている場所を探すのがポイントです。

一定の価格帯を移動平均線が保っている場合、価格が変動していないと判断可能です。

さらに、標準偏差が小さくなっている場合は、値幅が小さいため、トレンド相場でないことがわかります。

ボリンジャーバンドを使った逆張りの際は、標準偏差に価格が到達したタイミングでエントリーもしくは利益確定するようにしましょう。

ボリンジャーバンドの使用方法

ボリンジャーバンドの使用方法は、以下4つです。

スクイーズ

ボリンジャーバンド幅が縮み狭くなっており、上下ラインがミドルラインと近い状態のことをスクイーズといいます。

価格が一定幅で上下を繰り返すレンジ相場の際や、小さな値動きが続いた際に、こういった動きとなります。

主に推移が小さい幅であり、かつ平行に展開するケースが多くなります。トレンドもボラティリティも無い状態ですので、大きな利益獲得は狙いにくいです。

大きく価格が動く前の状態と言われることもあり、このあと解説するエクスパンションが起きる前に発生することが多いです。

エクスパンション

バンド幅が広がっている状態がエクスパンションです。

ボラティリティが高くなっていることを表し、トレンドが発生する際に確認できます。

発生する際は、利益を大きく獲得できる可能性がある相場状況です。

ボリンジャーバンドを利用した取引の手法として代表的なものに、バンドの形状が前述したスクイーズの状態からエクスパンションの状態に移行するポイントでエントリーを行う方法が存在します。

バンド幅が広がり、±2σラインをローソク足における終値が超えた際に、順張りによってエントリーを行います。

+2σのラインを下抜けた場合は売り注文、上抜けた場合は買い注文をする方法です。

上記のように、レンジ状態から±2σのラインを価格が超える現象を「ボラティリティ・ブレイクアウト」と呼びます。

この現象は、レンジ相場が終了し、トレンド発生の可能性が高いことを意味する現象です。

上記は、このトレンド発生のポイントで、初動に上手く乗り利益獲得を狙った方法になります。

また、決済を行うタイミングはローソク足の抜けたほうと、逆側のライン動向を確認し見極めます。

逆側ラインの方向が変化した場合は、ある程度トレンドが続いたことを意味し、そこが決済タイミングです。

バンドウォーク

トレンドが強い勢いの際は、±2σに沿い、ローソクが同じ方向に並ぶ場合があります。

この並んだ状態はバンドウォークと呼ばれ、トレンドが強い勢いのため、順張りによってエントリーすることで利益を大きく獲得できる可能性が高いです。

ボージ

エクスパンション状態のバンド幅がさらに広まった場所のことです。

ボージを経過した場合、バンド幅は小さくなりレンジ相場が継続されるか、トレンド反転が起きることがあります。

また、エクスパンション終了時では、トレンド方向に対し反対側である±2・3σ幅が小さくなる確率が高いです。

ボリンジャーバンド使用時の注意点

ボリンジャーバンド使用時の注意点は、以下3つです。

だましが起きる

ヘッドフェイクは、ボリンジャーバンド外側にローソク足が抜け、エクスパンションになったにも関わらず、逆の値動きとなり、初動と反対側のバンドに到達する動きです。

この動きは「だまし」と呼ばれています。エクスパンションが生じた際は、ヘッドフェイクが起きる可能性があるため、常に注意しておきましょう。

エクスパンションによって順張りした後に、ヘッドフェイクが生じた際は、一定の損失を負う場合があり、そのような局面ではしっかりと損切りする必要があります。

慣れるまで飛び乗りは控える

エクスパンションが生じたと判断されるタイミングでエントリーすることを「飛び乗り」といいます。

成功すれば、利益を大きく獲得できる可能性が高いので人気があります。

上昇している銘柄の勢いに置いて行かれないために、飛び乗りが実施されます。

銘柄がそのままの勢いで上昇すれば、購入後に含み益がすぐに増加し、利益を短期間で獲得することが可能です。

しかし、エントリーを行ってすぐにヘッドフェイクが生じ、反対方向のトレンドに入ったり、レンジ相場に戻ったりする場合があります。

そのため、相場動向に慣れる前は、しっかりとトレンドが続いたのを確認した後にエントリーするのがおすすめです。

他の指標と併せて使う

市場の動きを把握する手段として有効なボリンジャーバンドですが、動きをすべて予測できるわけではありません。

強いトレンドでは特に、価格がバンドの外側に留まる場合があります。

そのため、シグナルを信じ過ぎずに、他の情報源も常に考慮する必要があります。

ボリンジャーバンドを使う場合は、参考にしつつ、常に市場全体の背景などを考え、柔軟に対応することが大切です。

また、ボリンジャーバンドは、その他のファンダメンタルズ分析やテクニカル指標と併用することによって、さらに大きな効果が得られます。

例えば、移動平均線や相対力指数(RSI)など組み合わせることで、より高精度の判断が可能です。

ボリンジャーバンドを使う場合は、このようなポイントを意識し、総合的に見て市場を分析することがポイントです。

また、万能なテクニカル分析ツールは存在しませんので、自分のリスク許容度やトレードスタイルに合わせ、適切に使う必要があります。

ボリンジャーバンドと併せる指標

だましの回避には、さまざまなテクニカル指標と併用するのがおすすめです。

さまざまなテクニカル分析を利用し、同じシグナルが発生しているのを確認した後にエントリーすることによって、だましを回避できる確率が高くなります。

ボリンジャーバンドと併用すべきテクニカル指標は、以下2つです。

MACD

MACD線・シグナル線・ヒストグラムなどの情報を使い、トレンド強弱や売買シグナルなどについて判断できるテクニカル指標のことです。

レンジ相場においてだましに合う可能性が高いものの、エクスパンションを組み合わせ確認することによって、だましを回避できる確率が高くなります。

RSI

相対力指数を意味し、相場で買われ過ぎ、売られ過ぎを見極めるためのテクニカル指標のことです。

一般的にRSIは為替レートと似た動きをするものの、ダイバージェンスと呼ばれるRSIの値動きと為替が反対に動く現象が稀に発生します。

このダイバージェンスが発生した場合、だましに合う確率が高いですが、ボリンジャーバンドも確認することで、だましを回避できる可能性が高くなります。

まとめ

ボリンジャーバンドとは、株価の反転方向や目安、勢いの変化について確認するための指標です。

ボリンジャーバンドでは、一般的に±1・2・3σ(シグマ)の3段階指標になります。

ボリンジャーバンドを使用する際は、だましが起きることや、慣れるまで飛び乗りは控える、他の指標と併せて使うといった点に注意する必要があります。

また、MACDやRSIと併用することで、よりボリンジャーバンドの効果を高めることが可能です。

ボリンジャーバンドに興味を持っている、もしくは取引で利用しようと思われている人は、ボリンジャーバンドの使用時の注意点について十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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