投資基礎知識
CFD(差金決済取引)に興味を持っている、もしくは実際に取引を行っている人の中で
「CFD(差金決済取引)って何?」
「CFD(差金決済取引)の特徴や注意点について知りたい。」
「CFD(差金決済取引)でおすすめの証券会社について知りたい。」
このように思われている人も多いのではないでしょうか?
当記事ではこのような悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます!
目次
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CFD(差金決済取引)とは
一般的な現物の売買では、売買成立となると、現物が受け渡され、対価を支払います。
その後は、買主は現物を保有し続けてもいいですし、処分してもいいですし、自由に選択可能です。
その一方で、CFDは、売買による差益の獲得が目的のため、将来反対売買により、決済を行うことが前提です。
そのため、売買を実施するものの、現物は受け渡されず、もちろん対価の支払いもありません。
CFD取引では、その分取引を開始する際に取引金額により定められる証拠金を差し入れ、取引を実施します。
その後に、反対売買を実施し、取引終了の際に生じた損益に限り受け渡される仕組みです。
CFDにおける原資産では、株式をはじめ、上場投資信託、コモディティ、債券、外国為替、指数などが存在します。
CFDの特徴に、原資産と連動する設計になっていることがあり、原資産の値動きによりCFDの価格も変わります。
ちなみに原資産とは、先物取引やスワップ、オプションといったデリバティブ取引の対象資産のことです。
CFDの中でも有名なものがFXであり、外国為替をFX、その他をCFDと呼ぶのが一般的です。
CFDの中でも、NASDAQ100やS&P500、NYダウ、日経平均株価といった米国指数を取り扱っている株価指数CFDと、穀物や原油、金を取り扱っている商品CFDは人気が高く、世界中の投資家が取引を行っています。
CFD(差金決済取引)の特徴
CFD(差金決済取引)の特徴は、以下4つです。
取引できる銘柄種類が多い
CFDには、取引できる銘柄種類が多い特徴があります。
世界中の多種多様な金融資産に対し取引可能です。
取引可能な代表銘柄には、以下があります。
商品CFD
原油や金といった商品先物に対し、間接投資を行えます。
- 金融ショックや災害、戦争など有事の際に安全資産である金の価値が上昇しやすい
- インフレが進行している際は、原油価格が上昇しやすい
このように、特定の状況となった際に大きく利益を得られるチャンスがあるのが特徴です。
特に、金の価格は株式市場が下がっている際に上昇する傾向があるため、株式に投資する際のリスク分散で使うことも可能です。
株価指数CFD
対象となる国の、代表企業の株価に連動する指数に対し取引を行います。
投資対象の代表的なものは、NYダウ先物や日経225先物などです。
主要企業における株価に連動し指数が決まるため、投資する国の景気が大きく影響する特徴があります。
株式CFD
間接的に個別株式の取引が行えるCFDです。
米国株式などの海外株式を空売りできるのが大きな特徴です。
正確に表現すると、空売りと同じレベルで利益を狙えるという意味ですが、外国株の価格が下がっている際に取引機会があるのはメリットでしょう。
特に、過去の傾向から米国株は右肩上がりですが、下落している際も利益を獲得したいと思っている方におすすめといえます。
レバレッジにより少ない資金で大きな利益が狙える
レバレッジを使った取引が基本的ですので、少ない資金で大きな利益を狙うことが可能です。
レバレッジは、少額の資金で、手持ちの資金の何倍にもなる金額で取引可能な仕組みです。
レバレッジ倍率、必要となる証拠金に関しては、銘柄や業者により変わってきます。
レバレッジ倍率が高ければ高いほど、少額の証拠金で、より大きい利益が狙えますが、その分損失となった際には、倍率の分だけ損失も大きくなるため注意する必要があります。
売りでも利益を狙える
CFDでは、価格が高い時に売り、安い時に買い戻すことにより利益が獲得できますので、低迷している場合にも取引機会があります。
特に、投資ではできるだけ安く購入し、できるだけ高くない売却するイメージが強く、市場が下落している際は、投資に不向きのタイミングだと思っている方もいます。
しかし、CFDであれば相場が下落していても利益が狙えるので、さまざまな相場に強い方法です。
取引できる時間が長い
取引可能な時間が長いこともCFDの魅力的なポイントです。
日本株で現物取引する際、取引時間は平日であれば午前は9〜11時半、午後は12時半〜15時となっています。
その一方で、CFDはほとんどの銘柄で、平日であればほぼ24時間いつでも取引可能です。
そのため、平日日中は仕事や家事が忙しく時間がないという方であっても、CFDであれば帰宅した後に取引が行えます。
また、海外で株価に関わる大きな動きがあった際にも、すぐに対応可能です。
CFD(差金決済取引)の注意点
CFD(差金決済取引)の注意点は、以下の5つです。
長期投資には向かない
CFDは、短期間で利益を狙えますが、その分長期投資には向きません。
理由は、レバレッジが効いているので、レバレッジを効かせない投資に比べ価格変動が大きいからです。
そのため、ゆっくりと長期投資で資産を形成しようと思われている方は
- 株式が不調であれば金投資で使う
- 相場が下落している場合のみ投資を行う
など、使用場所を分けるのがおすすめです。
金融商品次第では流動性が低い
CFDでは、多種多様な金融商品に投資可能ですが、金融商品の中には流動性が低い商品も存在します。
流動性が低い商品を取り扱う場合、決済が終了できないことがある、スプレッドが広がる可能性が高い、ボラティリティが拡大する可能性が高いといったリスクがあるため注意が必要です。
ボラティリティが拡大する可能性が高いことは、リスクになる一方で、利益を増やせる効果もあるため、上手く活かせられれば、レバレッジを効かせずとも大きな利益が期待できます。
証券会社により流動性は変わってきますので、少しでもリスクを減らしたい場合、利用者の多い流動性が高い証券会社を使うようにしましょう。
レバレッジの倍率に伴いリスクも上がる
繰り返しになりますが、レバレッジの倍率が高ければ高い分、期待できる利益も大きいものの、それと同時に損失が発生した場合のリスクも大きくなるため注意が必要です。
そのため、状況に応じて素早く損切りすることが大きな損失とならないために重要なポイントです。
自分が予想していた方向と異なる方向に動いた場合、◯%の損失になったら損切りするなど、自分でルールを作成しておきましょう。
CFDの取引業者では、ほとんどがロスカットの仕組みを導入しています。
CFDの取引に挑戦する際は、しっかりとロスカットの仕組みについて理解を深め、ポジション管理や証拠金に留意することが大切です。
ロスカットは、投資家の含み損が大きくなり、各業者が定めている証拠金維持率よりも下になった場合に、強制的に売買を行い損切りすることです。
ロスカットは、投資家が大きな損失を負わないための仕組みであり、デメリットだけではありませんが、少ない証拠金でポジションを築いたり、損失が大きいまま放置したりしてしまった場合、強制的にロスカットされてしまう可能性があります。
証券会社が設定しているルールについてしっかりと理解し、証拠金やポジション量を調整することが大切です。
コストが発生する
コストが発生する点にも注意する必要があります。
CFDでは、基本的に取引手数料は発生しませんが、スプレッドで実質的にコストが発生します。
例えば、ある銘柄におけるCFDの売値が10,000円であり、買値が10,008円だったとします。
この場合、スプレッドは8円となり、相場に変動がなくとも、売買を行うだけで8円分のコストが発生する仕組みです。
そのため、このような状況では8円以上の価格変動がない場合、利益を獲得できません。
また、一般的にスプレッドは毎回同じではなく、変動しますので、どの程度のコストが最終的に発生するか予想しにくいため注意が必要です。
銘柄次第では情報を集めにくい
CFDを使うことで、現物では持つことが不可能な資産に対しても投資できる一方で、情報を集めにくいというデメリットがあります。
日本株や米国株、原油や金といった高い知名度の資産であれば、簡単に情報を集められるでしょう。
しかし、農産物や新興国株といった取引を行う人が限定されているような資産では、公開情報も限定されている場合が多いです。
そのため、投資先を考える際は、情報を集めやすいかについても考慮すべき重要なポイントです。
CFD(差金決済取引)でおすすめの証券会社
CFD(差金決済取引)でおすすめの証券会社を4社紹介します。
楽天証券
株や投資信託など、さまざまな有価証券売買の取り扱いがある楽天証券では、CFD取引も行えます。
さまざまな資産と同様の証券会社を使い、CFD取引についてもまとめて管理できるのは大きなメリットでしょう。
取り扱われている銘柄は、コモディティと株価指数に連動している商品が中心です。
PC向けツールである「マーケットスピード II」と、スマホ向けアプリである「iSPEED」が提供されており、PCからでもスマホからでも取引可能です。
また、グループ会社である楽天証券経済研究所から市場関連情報を受け取ることもできます。
GMOクリック証券
ETF やコモディティ、株価指数、FXといった多様な資産に連動しているCFD取引ができます。
ハイレバレッジ型の参照先指数に対し、数倍の値動きを目標とするCFDも複数取り扱っています。
また、「ミニCFD」と呼ばれる、少額で取引可能な取引方法もあり、おすすめする理由の一つです。
資産によって具体的な金額は異なりますが、2024年6月時点では約200円から取引可能です。
投資初心者の場合は、できるだけ少額でスタートし、リスクを最小限に抑えつつ投資に慣れていくのがおすすめですので、積極的に活用してみましょう。
IG証券
17,000銘柄にも及ぶ、多種多様な金融商品を取り扱う証券会社です。
CFDでは債券先物やコモディティ、株式、FXなど、さまざまな資産に連動している商品が取り扱われています。
参照先のリスクが低い傾向の債券先物においては、レバレッジを最大50倍まで効かせられます。
ロンドンで1974年に設立された企業であり、45年以上の歴史を持つ企業です。
31万人以上にも及ぶ人が世界中で使っている証券会社であり、Webブラウザ上で取引できるだけでなく、アプリツールも使うことができるため、場所に縛られず手軽に取引を行えます。
サクソバンク証券
本拠地をデンマークに構えている証券会社です。
世界180ヵ国で85万人にも及ぶ人に使われています。
2024年6月時点で取り扱っているCFDの銘柄は8,000以上にも及びます。
個別株である日本株・海外株などに連動したCFD取引もでき、レバレッジ上限は最大5倍となっていますので、レバレッジを効かせ過ぎてしまう不安がある方におすすめです。
PCでもスマホでも、自分の好きなデバイスでアクセスできるSaxoTraderGOと、上級者に向けたSaxoTraderPROの2つの取引ツールが使えます。
まとめ
CFD取引では、その分取引を開始する際に取引金額により定められる証拠金を差し入れ、取引を実施します。
その後に、反対売買を実施し、取引終了の際に生じた損益に限り受け渡される仕組みです。
CFD(差金決済取引)には、取引できる銘柄種類が多い、レバレッジにより少ない資金で大きな利益が狙える、売りでも利益を狙えるといった特徴があります。
CFD(差金決済取引)取引を行う際は、長期投資には向かない、金融商品次第では流動性が低い、レバレッジの倍率に伴いリスクも上がるといった点に注意が必要です。
CFD取引に興味を持っている、もしくは取引しようと思われている方は、CFDの概要や特徴、注意点を理解した上で検討することが大切です。
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