通貨ペアとは?種類と特徴を押さえたFX投資のポイント

2025.02.05

通貨ペアとは?種類と特徴を押さえたFX投資のポイント

投資基礎知識

FXで利益を上げるためには、まず「通貨ペア」について理解することが重要です。
通貨ペアとは異なる二つの通貨をセットにしたもので、為替レートの変動を利用して売買するのがFX取引の基本です。

主要な通貨ペアには、米ドル/円やユーロ/米ドルなど、世界中で取引されているものがありますが、他にもリスクとリターンが高い新興国通貨との組み合わせもあります。

当記事では、通貨ペアの仕組みや種類、FXで取引する際の注意点について詳しく見ていきます。

通貨ペアとは

通貨ペアとは、外国為替(FX)取引において二つの異なる通貨を組み合わせて取引する単位のことです。

通貨ペアは、為替相場の動きや国際情勢の影響を直接的に受けるため、投資家にとって利益を狙える一方で、リスクも伴います。

ここでは、通貨ペアの基本的な概念とその役割、そして種類や特徴について詳しく見ていきましょう。

通貨ペアの基本概念と役割

通貨ペアとは、二つの異なる通貨をセットにしたものであり、FX取引ではこの組み合わせを通じて売買が行われます。

例えば「USD/JPY」という通貨ペアでは、米ドル(USD)を日本円(JPY)で購入するか、あるいはその逆を意味しているのです。

ここで、左側に記載されている通貨を「基軸通貨」、右側の通貨を「決済通貨」と呼びます。

基軸通貨の1単位あたりの決済通貨の価値がレートとして示され、取引はこのレートに基づいて行われます。

通貨ペアの役割

通貨ペアは、異なる国や地域の経済状態や政治的要因を一度に反映するため、国際情勢を直接反映する取引ができるのが特徴です。

例えば、米ドル/日本円(USD/JPY)の通貨ペアであれば、米国と日本の経済状況や金利差、政策の動向が為替レートに影響します。

このように、通貨ペアは一つの通貨に依存するのではなく、二つの通貨間の相対的な価値変動を取引するため、通貨市場の変動に応じた利益を狙うことが可能です。

また、投資家にとっては、ある通貨が他の通貨に対して上昇する局面や、下落する局面で利益を出すための手段にもなります。

例えば、日本円で米ドルを買い、米ドル高になった際に売却することで為替差益を得るといった取引が代表的な例です。

このように、通貨ペアは世界経済や各国の政策の変化を映し出すと同時に、投資機会としても大きな可能性を秘めています。

通貨ペアの種類と特徴

通貨ペアにはいくつかの種類があり、代表的な通貨ペアから高リスク高リターンのペアまで、多種多様です。

通貨ペアの種類を理解することで、投資スタイルやリスク許容度に応じた取引が可能になります。

主要通貨ペア(メジャー通貨ペア)

主要通貨ペアとは、世界的に取引量が多く、流動性が高い通貨ペアのことです。

代表的なものに、米ドル/円(USD/JPY)、ユーロ/米ドル(EUR/USD)、ポンド/米ドル(GBP/USD)などがあります。

これらの通貨ペアは、安定性が比較的高く、初心者でも取引しやすい点が特徴です。

流動性が高いため、スプレッド(売買価格の差)が狭く、コストが抑えられやすいのも魅力の一つです。

さらに、主要通貨ペアは取引量が多いため、急激な価格変動が起きにくく、比較的安定した動きを見せることが多いとされています。

主要通貨ペアに分類される通貨は、いずれも経済力のある先進国通貨であるため、政策金利や経済指標の発表に大きく影響を受ける一方、情報が豊富で取引のしやすさから多くの投資家に好まれています。

クロス通貨ペア

クロス通貨ペアは、米ドルを含まない通貨ペアのことです。

例えば、ユーロ/円(EUR/JPY)やポンド/円(GBP/JPY)などがこれに該当します。

米ドルを介さないため、米国の影響を受けにくい点が特徴ですが、流動性が低く、取引コストが高くなる場合があります。

また、米ドルを含まない分、流動性の面ではメジャー通貨ペアよりも低い場合があるため、急激な変動が起きるリスクもあります。

クロス通貨ペアでは、各国の経済指標や政策変更の影響が強く出るため、米国以外の経済ニュースに注目することが大切です。

例えば、ユーロ/円の取引を行う場合、ヨーロッパと日本の経済動向や政策により大きな影響を受けることになります。

クロス通貨ペアは米ドルの影響を排除できるため、投資の幅を広げる手段としても活用されていますが、取引には他の通貨ペアに比べ注意が必要です。

マイナー通貨ペア・エキゾチック通貨ペア

マイナー通貨ペアやエキゾチック通貨ペアは、新興国通貨や先進国であっても比較的小規模な経済圏の通貨を含むペアです。

例として、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)やトルコリラ/円(TRY/JPY)、ブラジルレアル/米ドル(BRL/USD)などが挙げられます。

これらの通貨ペアは、他の通貨ペアに比べて流動性が低く、価格の変動が大きいのが特徴です。

マイナー通貨ペアやエキゾチック通貨ペアは、変動が大きい分、リターンも期待できる一方、リスクも非常に高くなります。

例えば、政治的な不安や急激な政策変更、突発的な経済危機などにより、通貨価値が大きく変動するケースもあります。

高いボラティリティを活用してリターンを狙いたい投資家にとっては魅力的ですが、安定性を重視する場合にはリスクの高い選択肢となるため、十分なリスク管理が求められます。

通貨ペアの選び方とリスク管理

通貨ペアを選ぶ際には、単に好みの通貨を取引するだけでなく、投資目的やリスク管理の観点からも慎重に考える必要があります。

FX取引は変動の激しい市場であるため、取引の目標やリスク許容度に応じた通貨ペアの選定が重要です。

ここでは、投資目的に基づいた通貨ペアの選び方や、関連するリスクの管理方法、そして分散投資によるリスク軽減について詳しく見ていきましょう。

投資目的に応じた通貨ペアの選定ポイント

通貨ペアを選ぶ際、まず考慮すべきなのは「投資目的」です。

投資目的が短期利益の獲得なのか、それとも長期的な安定したリターンの確保なのかによって、適切な通貨ペアは異なります。

また、投資目的に応じてリスク許容度も変わってくるため、自身の目標と一致する通貨ペアを選ぶことが重要です。

短期利益を狙う場合の通貨ペア選び

短期で利益を上げたい場合、変動の大きい通貨ペアが向いています。

代表的な例として、米ドル/円(USD/JPY)やポンド/米ドル(GBP/USD)など、主要通貨であるものの価格変動が比較的大きな通貨ペアがあります。

これらのペアは流動性が高いため、短期的な値動きが活発であり、投資家が利益を得るチャンスが多くなります。

ただし、変動が激しい分、リスクも高くなるため、取引のタイミングや損切りポイントの設定が重要です。

長期的な安定収益を目指す場合の通貨ペア選び

一方、長期的に安定した収益を目指す場合は、比較的価格変動が少なく、安定した通貨ペアを選ぶことが重要です。

ユーロ/米ドル(EUR/USD)や米ドル/スイスフラン(USD/CHF)といった通貨ペアは、流動性が高く急激な変動が少ないため、長期的な保有に適しています。

これらの通貨ペアは政治や経済の安定度が高い国同士の組み合わせであることが多く、リスク管理の面でも有利です。

通貨ペア選定における金利差の活用

また、投資目的に応じて「スワップポイント」(金利差による利息)も検討材料の一つです。

高金利通貨と低金利通貨の組み合わせでは、ポジションを保有している間にスワップポイントが得られるため、長期保有での収益が期待できます。

例えば、トルコリラ/円(TRY/JPY)や南アフリカランド/円(ZAR/JPY)といった高金利通貨とのペアは、スワップ狙いの投資家に人気です。

しかし、これらの通貨は為替変動リスクが大きいため、慎重なリスク管理が必要です。

通貨ペアに関連するリスクとその管理方法

通貨ペアには、為替市場特有のリスクが含まれています。

為替レートの変動は、通貨の経済情勢や金利、国際関係の変化によって左右されるため、投資家はこれらのリスクを理解し、適切に管理することが求められます。

ここでは、通貨ペアに関連する主要なリスクとその管理方法について解説します。

為替リスクとその対策

為替リスクは、通貨レートの変動によって発生するリスクです。

例えば、米ドル/円で米ドルを買った場合、円高になると米ドルの価値が下がり、投資金額が減少する可能性があります。

為替リスクに対応するためには、損切りライン(ストップロス)をあらかじめ設定しておくことが重要です。

また、リスクが高い通貨ペアには投入する資金を抑えることで、大きな損失を防ぐことができます。

金利変動リスクの管理

各国の金利は、中央銀行の政策や経済指標によって変動します。

この金利差が縮小する、もしくは逆転する場合、スワップポイント狙いで取引している場合には不利になる可能性があります。

金利変動リスクを管理するには、定期的に経済ニュースや政策発表を確認し、金利動向を把握することが大切です。

また、金利に関する重要な発表前にはポジションを整理するなどの対応も考慮しましょう。

政治・経済リスクとその管理

通貨ペアは、各国の政治や経済状況にも大きく影響を受けます。

政変や経済危機、貿易摩擦などが起こると、通貨価値に大きな変動をもたらす場合があります。

特に新興国通貨とのペアでは、このリスクが顕著です。

リスク管理としては、流動性が高い主要通貨ペアを中心に取引する、または新興国通貨の場合は情報収集を徹底し、リスクイベント前にはポジションを縮小することが推奨されます。

通貨ペアの分散投資戦略

通貨ペア取引においては、特定の通貨に資金を集中させるとリスクが高まるため、分散投資戦略を取り入れることが重要です。

分散投資により、ある通貨ペアが不調であっても、他のペアのリターンが全体のリスクを軽減してくれる可能性が高まります。

ここでは、通貨ペアの分散投資におけるポイントを見ていきましょう。

通貨ペアの種類を分散させるメリット

分散投資戦略の基本として、異なる種類の通貨ペアを選定する方法があります。

主要通貨ペア、クロス通貨ペア、新興国通貨ペアなど、異なるタイプのペアを組み合わせることで、リスクが分散されます。

例えば、米ドル/円(USD/JPY)とユーロ/円(EUR/JPY)、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)を組み合わせることで、経済情勢が異なる地域の影響をバランスよく受けることが可能です。

異なる経済圏への投資でリスクを軽減

異なる経済圏に分散投資することで、特定の国や地域に依存しないポートフォリオを構築できます。

例えば、米国、欧州、日本、そして新興国の通貨ペアを取り入れると、それぞれの経済圏が異なる成長サイクルにあるため、ポートフォリオの安定性が向上します。

新興国の通貨はボラティリティが高いものの、主要通貨の安定性と組み合わせることで、全体のリスクを抑えられます。

ポジションサイズと資金管理

分散投資の効果を高めるためには、ポジションサイズと資金管理が重要です。

例えば、リスクが高い新興国通貨ペアには少額の資金を割り当て、安定性が期待できる主要通貨ペアには資金を多めに配分するなど、リスクの度合いに応じた資金配分を行います。

また、分散投資を行う際にも、全体の損失を抑えるために一つの通貨ペアに過剰に投資しないことがリスク管理の基本です。

通貨ペア取引の利益を最大化するためのポイント

通貨ペア取引で利益を最大化するためには、単にトレードを繰り返すだけでなく、取引コストやトレードのタイミング、資産管理を意識することが大切です。

特に通貨ペア取引では、コストの管理や適切なトレードタイミングの判断がリターンに大きな影響を与えます。

ここでは、利益を最大化するための具体的なポイントについて見ていきましょう。

通貨ペア取引で考慮すべきコストと取引時間

通貨ペア取引において、コストは利益に直接影響を与える重要な要素です。

また、為替市場は24時間稼働しているため、取引時間の選定も大切です。

ここでは、コストと取引時間について詳しく見ていきましょう。

取引コストの種類と管理方法

通貨ペア取引で発生するコストには、主に「スプレッド」と「スワップポイント」があります。

スプレッドは、通貨ペアの買値と売値の差のことで、取引ごとに発生します。

特にスプレッドの幅が大きい通貨ペアは、取引コストが高くなるため、取引頻度の高いトレーダーにとっては大きな負担となります。

スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことで、取引コストを抑えやすいです。

また、スワップポイントは、異なる通貨間の金利差に基づいて発生する利息です。

高金利通貨を買って低金利通貨を売ると、ポジションを保有している間スワップポイントを受け取れますが、逆の場合は支払う必要があります。

長期的な保有を考えている場合は、このスワップポイントを考慮することで、保有コストを管理することが可能です。

最適な取引時間の選択

為替市場は24時間開いているため、取引時間帯によって市場の流動性や値動きが異なります。

例えば、東京市場(日本時間の朝から昼頃)はアジア圏の取引が中心で、流動性が比較的低めです。

一方、ロンドン市場(日本時間の夕方から深夜)とニューヨーク市場(日本時間の夜から翌朝)は流動性が高く、値動きも活発になるため、短期トレードには最適な時間帯と言えます。

特に、ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯(日本時間の22時から翌2時頃)は、取引が集中するため大きな値動きが見られやすく、利益を狙いやすいタイミングとされています。

投資目的に応じて最適な取引時間を選定することで、効率的な取引が可能となります。

通貨ペアごとのトレードタイミングの見極め方

通貨ペアごとに値動きの特徴やトレードタイミングが異なるため、適切なタイミングを見極めることは利益を最大化するうえで重要です。

ここでは、通貨ペアごとの特徴を踏まえたトレードタイミングの判断方法について解説します。

経済指標発表と相場の関係

各国の経済指標の発表は通貨ペアの値動きに大きな影響を与えます。

例えば、米ドルに関する経済指標発表(米国雇用統計、GDP成長率など)は米ドルを含む通貨ペア(USD/JPYやEUR/USDなど)の値動きに大きく影響します。

重要な指標発表の直前や直後には値動きが急変する可能性が高いため、このタイミングを利用してトレードするのも一つの戦略です。

特に、重要な経済指標の発表日には、短期的な値動きを狙ってトレードする「イベントドリブン戦略」を採用する投資家も多く、指標発表に伴うボラティリティ(変動率)の増加を利用した取引が行われます。

ただし、指標発表直後の値動きは予想が難しいため、リスク管理も忘れずに行うことが大切です。

通貨ペアごとのトレンドとレンジの見極め

通貨ペアには「トレンド相場」や「レンジ相場」といった特徴が見られます。

例えば、米ドル/円(USD/JPY)はトレンドが発生しやすい傾向があり、トレンドフォロー戦略が有効です。

一方で、ユーロ/円(EUR/JPY)やポンド/円(GBP/JPY)は一定のレンジ内で値動きすることが多く、レンジ相場を利用した逆張り戦略が適しています。

トレンド相場では、トレンドの方向に沿ったトレードが有効ですが、レンジ相場では支持線や抵抗線を意識した取引が効果的です。

通貨ペアごとの特徴を理解することで、適切なトレードタイミングを見極めやすくなります。

資産管理と継続的なパフォーマンス向上のための工夫

通貨ペア取引で安定した利益を得るためには、資産管理が欠かせません。

通貨ペア取引では、損失を防ぐことだけでなく、継続的なパフォーマンス向上のための工夫が必要です。

ここでは、具体的な資産管理の方法や、パフォーマンスを向上させるためのポイントについて見ていきましょう。

リスク管理と損失限定の方法

資産管理の基本として、リスクを管理するための「損切りライン」(ストップロス)を設定することが重要です。

損切りラインをあらかじめ設定しておくことで、予期せぬ相場の変動が起きた場合でも大きな損失を防げます。

また、ポジションサイズを資金に応じて適切に調整することも、リスクを抑えるうえで効果的です。

一般的に、1回の取引で資産全体の1〜2%以上のリスクを取らないようにするのが安全なリスク管理の目安とされています。

これにより、連続で損失が発生しても大きなダメージを回避し、資金を守りながら取引を続けることが可能です。

トレード日誌の活用とパフォーマンスの振り返り

資産管理とパフォーマンス向上のためには、取引履歴を記録し、定期的に振り返ることが役立ちます。

トレード日誌をつけることで、成功したトレードや失敗したトレードのパターンを把握し、改善点を見つけやすくなります。

具体的には、エントリーとエグジットのタイミング、相場の動き、取引の成否などを記録しておくと、自分のトレードスタイルの改善が図れます。

さらに、定期的にパフォーマンスを見直し、問題があれば戦略や資産配分を再評価することが重要です。

こうした工夫を継続することで、自身のトレードスキルが向上し、通貨ペア取引での利益も安定しやすくなります。

まとめ

通貨ペアとは、FX取引において異なる二つの通貨を組み合わせて取引する単位のことです。

当記事では、通貨ペアの基本的な役割から、主要通貨ペア、クロス通貨ペア、エキゾチック通貨ペアまで、種類ごとの特徴について解説しました。

投資スタイルやリスク許容度に応じた通貨ペアの選定方法にも触れ、通貨ペアごとのリスク管理方法や取引戦略もご紹介しています。

リスクとリターンのバランスを理解し、自身に合った通貨ペア選びに役立てましょう。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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市場の最新動向、専門家の分析、独自のリサーチレポートなどを通して、価値ある情報をハイエンドな投資家に提供します。

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