デリバティブ取引とは?概要や種類、メリット・デメリットについてわかりやすく解説

デリバティブ取引とは?概要や種類、メリット・デメリットについてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中には、以下のように考えている人も多いのではないでしょうか?

「デリバティブ取引って何?概要や種類について知りたい。」
「デリバティブ取引の使い方について知りたい。」
「デリバティブ取引のメリット・デメリットについて知りたい。」

当記事では、このような悩みを解決していきます。記事を最後まで読んでいただければ、上記の悩みについて理解が深まるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。それでは解説していきます!

デリバティブ取引とは

デリバティブ取引とは、株式や通貨、為替、金利、債券などの原資産から派生した金融商品の総称です。リスクを敢えて取って高い利益を狙ったり、さまざまな金融商品に内在するリスクを軽減するために考案された取引方法です。

その起源は古く、米などの農作物を対象にした先物取引から始まりました。その後、株式や債券などの金融商品を対象にした先物取引が発展しました。特に、農民が安定した生活を送るために、お米の先物取引が始まったことが知られています。

例えば、豊作によってお米が大量に収穫されると、供給過多で価格が低下します。逆に、不作だとお米が不足し、価格が上がる可能性があります。こうした価格変動のリスクを減らすために、将来収穫されるお米を一定の価格で買い取る約束を結ぶ先物取引が行われるようになりました。

デリバティブ取引の種類

デリバティブ取引にはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な3つの種類を紹介します。

先物取引

先物取引とは、半年後や1年後といった将来の特定の日に、あらかじめ決められた価格で特定の資産を売買する契約です。一般的に、日経平均株価などの指数を特定の価格で特定の期日に売買する「指数先物取引」があります。

例えば、1週間後の日経平均株価の予測値を基に、上昇すると予測した場合は「買い建玉」を、下落すると予測した場合は「売り建玉」を持ちます。そして、その建玉を売買することで利益を狙います。

オプション取引

オプション取引は、将来の特定の日に、あらかじめ決められた価格で特定の資産を売買する「権利」を取引するものです。オプション取引の買い手は、その権利を行使するかどうかを選択でき、行使しない場合は権利を放棄できます。

オプションの買い手は、プレミアムを支払って権利を取得し、期限内であればその権利をいつでも行使できますが、条件が不利であれば放棄することもできます。この場合、プレミアム以上の損失は発生しません。一方で、オプションの売り手は、買い手が権利を行使した場合、それに応じなければなりません。

スワップ取引

スワップ取引とは、あらかじめ取り決めた条件で通貨や金利といったキャッシュフローを交換する取引です。例えば、固定金利と変動金利を交換する「金利スワップ」があります。この取引は、店頭取引として行われ、取引相手と期間や条件を事前に定めて行います。

スワップ取引は、主にリスク分散や金利変動に対するヘッジ手段として金融機関や企業で活用されています。

デリバティブ取引の使い方

適切にデリバティブ取引を使うことで、将来のリスクを予測してリスクを軽減することができます。例えば、将来ある商品を購入する予定があり、その商品が値上がりする可能性がある場合、先物取引で事前に一定価格で購入する契約を結ぶことで、価格上昇リスクを回避できます。この手法は「買いヘッジ」と呼ばれます。

また、売却を予定している商品が値下がりするリスクに備えて、一定価格で売却する契約を結ぶのは「売りヘッジ」です。デリバティブ取引は、証拠金を支払うことで少ない資金から取引を開始できるため、効率的な資産運用手段としても利用されます。

しかし、リスクヘッジをしてもリスクを完全に排除することは不可能です。損失が発生した場合、その損失をカバーする責任がありますので、注意が必要です。

デリバティブ取引のメリット

デリバティブ取引のメリットには以下の3つがあります。

レバレッジ効果

デリバティブ取引では「レバレッジ」を効かせることで、小額の資金で大きな金額の取引を行うことが可能です。これにより、大きな利益を狙える可能性があります。レバレッジが活用できる理由は、取引時に発生する損益のみを口座内で決済する「差金決済」の仕組みがあるからです。

多様な取引が可能

デリバティブを活用することで、通常の現物取引では得られない利益機会が増えます。例えば、オプション取引では、利益が見込める場合のみ権利を行使し、損失になる場合は権利を放棄することができます。また、デリバティブ取引は夜間でも可能なものがあり、取引の選択肢が増えています。

リスクヘッジが可能

デリバティブ取引では、相場変動のリスクを避ける手段として活用できます。例えば、株価が下落すると予想される場合、先物取引で「売り」を行うことで、現物株を持っている場合でも損失を抑えることができます。

デリバティブ取引のデメリット

デリバティブ取引には以下のデメリットがあります。

大きな損失リスク

レバレッジを利用することで、少ない資金で大きな取引が可能になる一方、損失も大きくなる可能性があります。例えば、証拠金を10万円でレバレッジを10倍にして100万円の取引を行い、20%の損失が発生した場合、20万円の損失となり、証拠金を超える損失が発生します。

取引の理解が必要

デリバティブ取引は複雑で、取引や商品の仕組みを十分に理解しないと、予期しない損失を被る可能性があります。特に、仕組債などの複雑な商品については、ノックアウトやノックインの仕組みを理解しておく必要があります。

予測の困難さ

デリバティブ取引では、将来の価格変動を予測して取引しますが、予測が外れると損失が発生します。例えば、政情不安や自然災害など予測不能な事象が発生した場合、予測に基づく取引では対応しきれないリスクが存在します。

まとめ

デリバティブ取引とは、株式や通貨、為替、金利、債券などの原資産から派生した金融商品の総称です。デリバティブ取引にはレバレッジ効果、取引の多様性、リスクヘッジなどのメリットがありますが、一方で、大きな損失リスクや取引の複雑さ、予測の困難さなどのデメリットもあります。

デリバティブ取引に興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている方は、デリバティブ取引の概要やメリット・デメリットを十分理解した上で検討することが重要です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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