ドルコスト平均法とは?メリット・デメリット、効果的な使い方についてわかりやすく解説

ドルコスト平均法とは?メリット・デメリット、効果的な使い方についてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味がある方や、すでに投資を行っている方の中には、

「ドルコスト平均法ってどんな手法なの?」
「ドルコスト平均法のメリット・デメリットを知りたい」
「ドルコスト平均法の効果的な使い方を知りたい」
と考えている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、これらの疑問にお答えします。最後までご覧いただければ、ドルコスト平均法についてしっかりと理解できるでしょう。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品に対して、定期的に常に一定の金額で購入を続ける投資方法のことです。定めた金額を投資し、価格が低い時に多くの量を購入し、価格が高い時には少ない量を購入することで、平均の購入単価を下げる効果が期待できます。

価格が低い場合には購入量が増え、価格が高い場合には購入量が減るため、リスクを軽減できます。

一方で、常に一定の金額で購入する方法とは異なり、ドルコスト平均法を使うと毎回異なる価格で購入することになります。この方法により、全体としての購入単価を平準化し、長期的な資産形成に有効な手法です。

ドルコスト平均法に対して反対の手法としては、一括投資があります。一括投資は、まとまった金額を一度に投資する方法です。

相場が右肩上がりの場合や大きな投資チャンスと判断できる場合、一括投資を行う方が、ドルコスト平均法で分散投資するよりも短期間で大きな利益を得られる可能性があります。

ただし、一括投資の場合は、投資した全額が相場変動の影響を受けるため、投資時点から価格が下落した場合、損失も大きくなるリスクがあります。一方、ドルコスト平均法は価格が下落しても少額投資を続けることで、価格が回復しなくても最終的に利益を得られる可能性があります。

ドルコスト平均法のメリット

ドルコスト平均法のメリットは、以下3つです。

初心者でも始めやすい

ドルコスト平均法の場合、はじめに購入金額や投資期間を定め、一定のタイミングで資産の購入を行う簡単な方法です。
そのため、相場や経済について高度な知識を持っていない初心者でも挑戦できます。

積立投資を行う設定をすることで、自動で毎月一定額の投資が可能なため、手間がかからないことに加え、毎回考えなくて済みます。
ドルコスト平均法を利用することで、リスクを削減しながら、コツコツ少しずつ投資できるため、初心者にもおすすめの投資手法です。

例えば、投資信託であれば、毎月100円から積立可能な証券会社も存在します。
そのため、無理なく自分に適した金額とペースで投資に取り組めます。

精神的負担を軽減できる

金融商品に対し投資を行う場合は、資金を一度に多く用意し、できるだけ安い時に購入し、価格が高い時に売却することによって、利益を最大化するのも1つの利益を得る方法です。
しかし、初心者のような投資に不慣れの場合、商品を売買するタイミングが難しく、価格が高いタイミングで購入してしまうことも少なくありません。
その結果、予想していたような利益が獲得できないことも多々あります。

その一方で、ドルコスト平均法により投資することで、投資している期間の途中に価格が変動した場合でも、一喜一憂する必要がありません。
ドルコスト平均法では、価格が下落した場合は低価格で多くの商品を購入でき、逆に価格が高くなった場合は購入量が自動で少なくなりますので、高い値段で購入するリスクを下げられます。

売買するタイミングについて、細かく判断する必要がありませんので、チャートを細かく確認する時間が確保できない人でも取り組める手法です。

感情任せの投資にならない

投資で失敗してしまうケースに、売買する判断で人の感情が左右することがあります。
例えば、ある銘柄の価格が大きく下落し、絶対に売却し損切りしなければならないようなタイミングの場合でも、「後少し待てば価格が元に戻る」と考え、損切りできないことは少なくありません。

このように、人の感情は時に正常な投資判断をできなくしてしまいます。
ドルコスト平均法では、定められた金額で常に購入するため、感情に左右されません。

当然ドルコスト平均法を使用することで必ず利益を獲得できるわけではないものの、合理性が欠如することで損失が拡大してしまうリスクを下げられます。

ドルコスト平均法のデメリット

デメリットを4つ紹介します。

相場の動き次第では資産が減る

ドルコスト平均法は、投資手法の一つであり、投資では必ずリスクが存在します。
そのため、利益を確実に出したり、リスクを必ず回避できたりといった方法は存在しません。

ドルコスト平均法を使った運用の場合、資産の売却タイミングを間違えないことが重要なポイントです。
資産を購入する価格に関しては、長期間で平均化されることが多いため、そこまで意識しなくて良いものの、売却する際の価格については意識する必要があります。

売るタイミングや相場動向が悪い場合、売却する際に利益が獲得できず、損失を発生させる可能性があります。
ドルコスト平均法の場合、一方的に価格が下落し続ける相場が苦手な手法です。

価格がひたすら下落し続け、上昇に一度も転じない際は、購入した時に比べ、保有している資産価格が確実に下がるため、損失が膨らみやすいです。
また、長い期間上下変動しやすい銘柄では、特に売却する直前における相場が重要になってきます。

価格が売却する直前に下落した場合、損失となる可能性が高くなるため、注意が必要です。

短期で利益を得るのは難しい

ドルコスト平均法の場合、定期的に時間をかけ積み立てることによって、利益を獲得する投資手法になります。
しかし、短期間の場合は、その効果を獲得できないこともあります。

ドルコスト平均法は、価格変動に影響を受けず、安定した平均購入単価で投資できることが特徴です。
しかし、価格がひたすら下落し続ける際は、その分平均購入単価も低下します。
また、価格が上昇し続ける際は、平均購入単価も上昇します。

上記から分かるように、価格変動により、短期の場合は効果が得にくいことがデメリットです。
ドルコスト平均法は、あくまで長期的な価格上下に対し、平準化する目的がある手法ということを理解しておきましょう。

投資する際は、相場の上昇を予想し、適切なタイミングで取引します。
このような取引を投機と呼ぶこともありますが、リターンを大きく狙える一方で、ドルコスト平均法の場合は、狙ったタイミングで一気に投資することは不可能です。

手数料が必要

証券会社などから提供されている、ドルコスト平均法の金融商品を購う際は、購入する度に手数料が発生することもあります。
投資信託の際の信託報酬のような、保有している期間によって費用がかかることも少なくありません。

ドルコスト平均法では、長期間何度も続けて購入する手法のため、こういった手数料によりコストがかさんでしまう可能性がある点には注意する必要があります。

人的ミスがあった場合成り立たない

どれだけドルコスト平均法を使った手法のシステム化をした場合でも、「うっかり先月は購入を忘れてしまった」ような場合は意味がありません。
購入を1回でも忘れてしまうと、システムが成立せず、価格を平準化する効果も期待できません。

1ヶ月毎・1年毎など、銘柄を定期的に購入することは、意外と手間がかかります。
そのため、投資信託の場合は自動積立できる証券会社を選択したり、外貨建て保険の場合は自動で保険料を引き落とせたりするサービスを選ぶのがおすすめです。

ドルコスト平均法の効率的な使い方

ドルコスト平均法の効率的な使い方を3つ紹介します。

分散投資を行う

ドルコスト平均法を利用し損失となる理由は、特定商品に偏った運用を行っているからです。
一つの投資商品にしか投資していない場合、直接的に価格変動の影響を受け、相場が急に変化した際には、安全と言われるドルコスト平均法を使っている場合でも損することがあります。

あくまで時間を分散させる投資手法のため、時間以外に資産を分散させる考えを持つことが大切です。
積立投資で使う資金の10万円を2分割し、半額の5万円を不動産投資や株式投資などに分けられます。

ノーロード商品を選択する

投資信託には複数の商品がありますが、その中においても、購入手数料が発生しないノーロード商品を選択するようにしましょう。
ドルコスト平均法の場合、毎月購入することもあり、自然と手数料が多くなります。

しかし、ノーロード商品を選択することで、手数料を心配する必要がなく、他の商品を購入していた場合は支払うはずであった手数料の金額分も投資に回せます。

運用状況を定期的に見直す

頻繁に相場における価格変動を確認せずに済むのがドルコスト平均法の一つのメリットですが、だからと言って放置して全く気にしなくて良いわけではありません。
相場の動き次第では、ドルコスト平均法を利用していてもパフォーマンスが悪い場合も当然あります。

そのため、運用状況を定期的に確認し、問題があれば運用方針について見直しが必要です。

ドルコスト平均法がおすすめの人の特徴

ドルコスト平均法がおすすめの人の特徴は、以下2つです。

資金が少額の人

ドルコスト平均法の場合、一時的な大きい投資と違い、定期的に少額を投資します。
そのため、まずは投資に少額から取り組みたい人や大きな資金をまとめて用意できない人におすすめの戦略です。

この方法の場合、定期的に少額を投資することで、長期的に見れば大きな資産形成が見込めます。
特に、投資で使える資金が限定されているような人からすれば、理想的な方法と言えます。

長期間の投資ができる人

ドルコスト平均法を使うのであれば、長期間の投資ができる人が向いています。
この方法を使う最も大きなメリットは、長期間に渡り資産を市場における平均価格で購入可能なことです。

上昇傾向の市場でも、下降傾向の市場でも、定期的に決められた金額で購入することで、長期的に見た際に市場の価格変動リスクが減らせます。
特に、長期に渡り投資できる人からすれば、資産形成を安定して行える方法です。

まとめ

ドルコスト平均法とは、価格変動のある商品に対し、定期的に常に一定の金額分購入する方法のことです。
ドルコスト平均法のメリットは、初心者でも挑戦できる、精神的負担を軽減できる、感情任せの投資にならないことです。

その一方で、相場の動き次第では資産が減る、短期で利益を得るのは難しい、手数料が必要などのデメリットも存在します。
また、ドルコスト平均法の効率的な使い方には、分散投資を行う方法や、ノーロード商品を選択する方法などがあります。

ドルコスト平均法を使った投資に興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている方は、ドルコスト平均法の概要やメリット・デメリット、効率的な使い方について十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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