投資基礎知識
投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で、「ゴールデンクロスって何?概要や計算方法について知りたい。」 「ゴールデンクロスの使い方について知りたい。」 「ゴールデンクロスの使用時に注意することについて知りたい。」このように思われている方も多いのではないでしょうか?
当記事ではこれらの疑問を解決していきます! 記事を最後まで読んでいただければ、上記の疑問について解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます!
目次
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ゴールデンクロスとは
チャートは株価の動向を表し、株式を売買するタイミングを判断する際に有効です。相場のトレンドを把握するための指標として、一定期間における終値平均を繋いだものが移動平均線になります。
ネット証券で確認できる移動平均線は、短期であれば5日、中長期であれば25日や50日など、自分で期間を選び描画することが可能です。長期と短期の2本の移動平均線によって示される売買サインには、「ゴールデンクロス」と呼ばれるものがあります。
移動平均線に限らず、ゴールデンクロスはストキャスティクスやMACDといったチャート分析でも使われます。
ゴールデンクロスは、上昇局面における「買い」サインとして使われるチャート状態です。ゴールデンクロス状態は、25日や26週といった中長期における移動平均線が、5日や13週といった短期の移動平均線を下から上に突き抜け、中長期移動平均線に比べて短期移動平均線が上にある状態です。
短期・中長期の移動平均線の向きが、どちらも「上向き」または「横ばい」の場合がゴールデンクロスです。
一方で、下落傾向の相場で売りサインを示すのが「デッドクロス」です。デッドクロス状態は、長期の移動平均線を短期の移動平均線が上から下に突き抜けた状態です。
この場合、移動平均線の向きがどちらも「下向き」または「横ばい」の状態になります。このサインは、売買タイミングを決める上で有効な判断材料となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
ゴールデンクロスの計算方法
ゴールデンクロスは、チャートツール上で線がクロスする様子で判断可能ですが、線の基準値変化について理解しておく必要があります。2本の線が交差する条件は以下の通りです。
- 当日の短期移動平均値が、当日の中・長期移動平均値よりも大きい。
- 前日の短期移動平均値が、前日の中・長期移動平均値よりも大きい。
1つ目の場合は、現時点において中長期線の上に短期線があり、2つ目の場合は前日において中長期線の下に短期線があったことを意味します。これらの条件を直近の日付で満たした日が、ゴールデンクロス達成日です。
デッドクロスについては、上記の逆の考え方です。
- 当日の中・長期移動平均値が、当日の短期移動平均値よりも大きい。
- 前日の中・長期移動平均値が、前日の短期移動平均値よりも大きい。
同様に、条件を直近の日付で満たした日が、デッドクロス達成日です。
ゴールデンクロスの使い方
ゴールデンクロスは買いサインとして使われますが、ゴールデンクロスが発生しても、相場が必ず上昇トレンドになるとは限りません。時には「ダマシ」と呼ばれる逆方向の動きが見られることがあります。
ゴールデンクロスで線を突き抜ける方法には複数種類があり、今後の株価の動きは突き抜け方次第で予測できます。ここから、ゴールデンクロスの具体的なパターンについて解説していきます。
短期と長期の両方で移動平均線が上向きの場合
短期と長期の両方が上向きで抜けた際、株価が上がる場合が多いです。例えば、大きく株価が下落し、その後横ばいを続けた後に短期と長期の移動平均線が上向きで抜けたゴールデンクロスが発生します。
このような場合、長期間横ばいが続いていた株価が上昇し、新たな買い材料が増加した可能性が高いです。
下向きに長期線が抜けている場合
下向きに長期線が抜けている場合、上記で解説した短期と長期の両方で移動平均線が上向きの場合に比べ、信頼度が低く、「ダマシ」が起きる可能性があるため、注意が必要です。
例えば、株価が急激に下落した後に反発し、「V字型」を示した相場での移動平均線の交差です。株価は底を打ちV字回復の傾向がありますが、長期移動平均線が急落の影響を受け下落基調にあり、短期線がそれを突き抜けます。
この場合、上記の定義ではゴールデンクロスとは呼べませんが、トレンドが明確でない時期のゴールデンクロスには「だまし」が多い傾向があります。
移動平均線が交わる角度が緩い場合は信頼度が低く、急な角度であれば高い信頼度といえます。また、短期の移動平均線を使う際は注意が必要です。短い平均期間であれば値動きも激しくなるため、中長期に比べ短期移動平均線でゴールデンクロスが発生する可能性が高いです。
そのため、ゴールデンクロスを見つけたらすぐに買いサインと判断せずに、前後の状況やその他の情報も合わせて慎重に判断してください。
2本のラインが示す売買のシグナル
繰り返しになりますが、ゴールデンクロスなどは、MACDや移動平均線といったテクニカル指標を基に確認されるサインです。FXにおける取引で買売のシグナルを判断する材料として多くの人に使われており、相場を予測する上で重要なポイントです。
2本の線が交差するポイントが売買サインとなります。MACDや移動平均線は、一定期間における価格を参考に平均を求め、チャート下部やチャート上にラインで示されます。
ゴールデンクロスおよびデッドクロスに関しては、それぞれのテクニカル指標で2つの線が使用され、各線の動きが交わるポイントを活用し売買タイミングを判断する仕組みです。MACDや移動平均線のみで相場トレンドを知る方法もありますが、ゴールデンクロスおよびデッドクロスに関する知識が加わることで、より正確な判断が可能になります。
買いサイン=ゴールデンクロス
シグナルをMACDラインが下から上に突き抜ける状態が、ゴールデンクロスです。移動平均線を使用する際は、長期移動平均線を短期移動平均線が下から上に突き抜ける状態です。この場合、強い買いポイントとなります。
売りサイン=デッドクロス
シグナルをMACDラインが上から下に突き抜ける状態が、デッドクロスです。移動平均線を使用する際は、長期移動平均線を短期移動平均線が上から下に突き抜ける状態です。この場合、強い売りポイントとなります。
ゴールデンクロス使用時に注意すること
ゴールデンクロス使用時に注意すべき点は以下の2つです。
レンジ相場は使いづらい
レンジ相場ではゴールデンクロスが発生しても、相場がすぐに反転してしまうことが多いため、注意が必要です。レンジ相場においてゴールデンクロスを信じて購入しても、すぐに相場が反転し含み損が発生する可能性があります。このような際には、レンジ相場に適したテクニカル分析を使用すると良いでしょう。
値動きが一定の幅で続く相場をレンジ相場といいます。為替相場においては7割がレンジ相場であり、レンジ相場の後に下降または上昇トレンドが生じる傾向があります。
だましがある
ゴールデンクロスやデッドクロスは必ずしも機能するわけではありません。売買シグナルと反対方向に相場が動く「だまし」が起こる可能性があります。ゴールデンクロスが確認できても相場が上昇しない場合や、デッドクロスを確認したにも関わらず相場が上昇することもあります。
「だまし」を見極める方法として、線がクロスした角度を確認することが有効です。クロスの角度が深い場合は強力な短期トレンドと判断できますが、角度が浅い場合は「だまし」の可能性が高いです。その他の指標と併用することで、クロスが本物か「だまし」かを見極めやすくなります。
「だまし」を避けるためには、次の2点を意識しましょう。
- 移動平均線の傾きを確認する
ゴールデンクロスが確認できても、短期・長期線の両方が下向きの場合はトレンドが転換しないことがあります。逆に、短期・長期線の両方が上向きの場合は強い買いサインとなります。移動平均線の傾きを確認することで、信頼度の高いエントリーポイントを見つけることができます。 - 時間足の大きいトレンドを意識する
ゴールデンクロスを使用する際には、時間足の大きいトレンドで環境認識を忘れないようにしましょう。時間足の大きいトレンドに逆らった場合、ゴールデンクロスが発生しても予想していた方向に相場が動かない可能性があります。そのため、エントリーは時間足の大きいトレンドと同方向に行うようにしてください。
まとめ
ゴールデンクロスは、上昇局面における「買い」サインとして使われるチャート状態です。ゴールデンクロスで線を突き抜ける方法には複数種類があり、今後の株価の動きは突き抜け方次第で予測できます。
ゴールデンクロスを使用する際には、レンジ相場では使いづらいことや「だまし」が発生する可能性に注意が必要です。
投資に興味を持っている、または挑戦してみようと思われている方は、ゴールデンクロスの概要や使い方、使用時の注意点について十分理解した上で検討することが大切です。
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