
投資基礎知識
環境に配慮した投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で「グリーンボンドって何?概要や特徴について知りたい。」「グリーンボンドの原則について知りたい。」「グリーンボンドの発行元・投資家のそれぞれのメリット・デメリットについて知りたい。」と思っている方も多いのではないでしょうか?
当記事では、このような疑問を解決していきます!記事を最後まで読んでいただければ、これらの疑問について解決できると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます!
目次
グリーンボンドは、地球温暖化への対策や再生可能エネルギーなど、環境分野への取り組みに特化した資金調達を目的として発行される債券です。グリーンボンドを発行することで、発行体は環境への貢献をアピールできます。
近年、投資家の間でESG投資や社会的責任投資といった考え方が広がり、経済的な利益だけでなく、環境・社会・ガバナンスの倫理的な側面も考慮して投資を判断する投資家が増えています。企業もこのような観点に配慮した経営を行うことで、有利に資金を調達できるだけでなく、企業イメージを向上させることも可能です。
このような背景から、ESG投資に取り組む機関や投資家からグリーンボンドは注目を集めており、年々発行額が増えています。
グリーンボンドは、資金の使用方法が明確であり、発行体が債務不履行に陥らない限り、満期時に元本が全額返済される仕組みです。グリーンボンドで調達した資金は環境改善活動に限定されるため、社会貢献を希望する投資家の考え方が反映されます。
債券投資では、資金を発行者に貸す代わりに、定期的に金利を受け取る権利が与えられます。前述のように、元本は満期時に全額返済されます。
株式投資の場合、株主は資金の用途に関して意見を述べることはできますが、決定する権利はありません。また、元本は株式の売却時の株価によって変動するため、元本割れのリスクがあり、債券に比べてリスクが高くなります。
グリーンボンドの原則について、詳しく解説します。
グリーンボンドで調達した資金は、環境改善活動にのみ使用されます。適格なプロジェクトとしては、汚染対策、生物多様性保全、自然環境保全、気候変動適応策、気候変動緩和策の5つが挙げられます。資金はこれらの環境目的のために使用することが定められています。
環境改善活動を選定するためのプロセスや基準について、投資家に伝えるべき事項として以下が定められています。
社会や環境のリスク特定と管理プロセスに関連する補足情報
グリーンプロジェクト決定におけるプロセス
環境面での持続可能性に関連する目標
資金が環境改善活動に使用されたことを証明するために、調達した資金の管理は別勘定で行い、透明性を確保するように定められています。発行元の企業のその他の事業活動に関連する費用と区分し、プロジェクトに使った資金および残高を管理しなければなりません。
このシステムにより、資金が確実に環境改善活動に使用されているかどうかを投資家が確認できます。
投資家に対し、資金の使用用途、プロジェクトの選定および評価、資金管理について定期的に報告する必要があります。また、専門性や独立性を補完するために、セカンドパーティ・オピニオンを取得することがガイドラインで推奨されています。
これにより、グリーンボンド原則(GBP)とプロジェクト内容が一致しているかどうかが確認されます。
グリーンボンドのメリットについて、発行元と投資家に分けて解説します。
発行元のメリットは、以下の3つです。
投資家のメリットは、以下の3つです。
グリーンボンドのデメリットについて、発行元と投資家に分けて解説します。
発行元のデメリットは、以下の2つです。
投資家のデメリットは、以下の4つです。
グリーンボンドは、地方自治体や企業が環境事業を行うために資金調達目的で発行する債券です。グリーンボンド市場は現在、世界的に成長しており、日本でも同様の傾向があります。
しかし、グリーンボンドには発行元と投資家の双方にとってメリットとデメリットがあります。そのため、実際に発行・投資を行う場合、それぞれのデメリットに対して対策を講じることが重要です。
現在、日本では脱炭素社会の実現に向けた国を挙げての取り組みが行われており、今後もこの傾向が続く可能性が高いと考えられています。グリーンボンド市場も拡大し続けることが予測されます。
グリーンボンドは、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど、環境分野への取り組みに特化した資金調達を目的として発行される債券です。資金の使用方法が明確であり、発行体が債務不履行に陥らない限り、満期時に元本が全額返済される仕組みです。
グリーンボンドに投資するメリットには、リスクを分散できる、投資家としてのイメージを向上させられる、投資効果に関与できることがあります。一方で、不適切な資金の使われ方をする可能性がある、利益が得られない可能性がある、投資した事業が環境を改善する効果がない場合があるなど、デメリットも存在します。
そのため、グリーンボンドへの投資に興味を持っている方は、グリーンボンドの概要や投資するメリット・デメリットについて十分理解した上で検討することが重要です。
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