グロース株とは?概要やメリット・デメリット、判断方法についてわかりやすく解説

グロース株とは?概要やメリット・デメリット、判断方法についてわかりやすく解説

投資基礎知識

グロース株に興味を持っている、もしくは購入を検討している方の中で、「グロース株って何?概要やバリュー株と異なる点について知りたい。」「グロース株のメリット・デメリットについて知りたい。」「グロース株の判断方法について知りたい。」このように考えている方も多いのではないでしょうか?

当記事では、これらの疑問を解決します。記事を最後まで読んでいただければ、上記の疑問について理解が深まるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます!

グロース株とは

英語の “Growth” は、日本語で「成長」という意味ですが、株式市場では、将来的に成長が見込まれる銘柄のことを「グロース株(成長株)」と呼びます。具体的には、高い需要のサービスを提供したり、年々経常利益が増加している企業の株式を指します。

グロース株に注目して銘柄選定を行う投資方法を「グロース株投資」と言います。

バリュー株との違い

グロース株と対比されることが多いのが「バリュー株」です。グロース株は別名「成長株」とも呼ばれ、利益成長率と売上伸び率が共に高い銘柄を指します。

一般的に、高いPER(株価収益率)を持ち、PBR(株価純資産倍率)は数倍となり、新興企業では十数倍や数十倍に達する銘柄も存在します。バリュー株は、グロース株とは異なり、長期投資に向いている銘柄と言えます。

バリュー株が長期投資に向いている理由は、成長率が低く、価格の変動が緩やかなためです。価格が動くには一定の時間が必要で、短期での利益はほとんど期待できません。

一方、成長率が高いグロース株は、短期間で大きな利益を狙える反面、損失も大きくなる可能性があります。そのため、大きなリターンを狙いたい方にはおすすめです。

これらの特性から、短期間で大きな利益を得たい場合はグロース株、長期的に安定した利益を得たい場合はバリュー株を選ぶと良いでしょう。

中長期における投資は成長性が重要

中長期投資の場合、自己資金を50~100万円程度用意し、大型株を狙って売買を行うことが多いです。また、中・小型株の中にも中長期投資に適した銘柄があるため、少額からでも中長期的な運用を開始できます。

中長期投資で重視すべき要素は以下の通りです。

上方修正の銘柄

成長株投資と中長期投資の両方に共通して言えることは、成長傾向にある企業や業績が上方修正された企業の株式を購入することです。中長期投資は一時的な相場の上昇や景気の変動による大きな値動きには適していません。

しかし、新商品開発や企業業績など、株価の上昇理由が企業の価値と直結する銘柄は、中長期投資において相性が良いとされています。

小さい値動きでも長期で上がっている銘柄

中長期投資では、スイングトレードやデイトレードのように取引を1ヶ月以内に終える方法とは異なり、短期的な値動きの小さい銘柄を選定します。

値動きが小さく、出来高が多い銘柄には、半年から1年の期間でチャートを確認した際に価格が上昇しているものもあります。こうした銘柄は景気に左右されにくく、中長期の投資に向いています。

出来高が多い銘柄

中長期的に投資を行う上で重要な要素の一つに、出来高の多さがあります。出来高が多いのは、日々活発に投資家が取引している証拠です。

また、出来高の多い銘柄は急な下落や上昇を繰り返しにくい傾向があります。例えば、投機目的の大量買いがあった場合でも、それぞれの価格帯での出来高が緩衝材のように作用し、急落や急騰が起こりにくいです。

そのため、中長期的な投資を実施する際には、急激な値動きに悩む必要が少なくなります。

グロース株のメリット

グロース株のメリットは以下の2つです。

短期での値上がりを見込める

企業の成長が速い分、株価が短期間で値上がりする可能性があります。株価が短期的に急上昇した場合、適切なタイミングで売却することで、大きなキャピタルゲインを得られることがあります。

短期的な値上がりが見込まれる一方で、企業が成長し続けている場合は、短期的な株価の動きに左右されず、長期投資としても利用可能です。

大きな利益を得られる可能性がある

グロース株は将来的にさらなる成長が期待されているため、大きなキャピタルゲインを得られる可能性が高いです。一般的に、企業の業績が良くなると購入希望者が増え、株価が上昇することが見込まれます。

なお、資産を取得した時よりも高く売却して得られる利益をキャピタルゲインと呼びます。

グロース株のデメリット

グロース株のデメリットは以下の2つです。

配当金は期待できない

グロース株に投資する場合、大きな配当金を得ることは期待できません。配当金が少ない理由は、企業が成長のために研究開発費などに利益を再投資しているからです。

なお、株式を売買して得た利益をキャピタルゲイン、株式を保有して得た配当金をインカムゲインと呼びます。そのため、グロース株に投資する場合はキャピタルゲインが期待される一方で、インカムゲインはあまり期待できない銘柄が多いです。

割高な株を購入する可能性がある

グロース株は投資家から人気が高く、注目されやすいため、割高な株価になることが多いです。割高な価格で株を購入した場合、企業が期待通りに成長しないと、株価が大きく下落して含み損を抱えることがあります。

さらに、株価が上昇・下降を繰り返すことも多く、投資初心者の方は株価の変動に一喜一憂しないことが大切です。

バリュー株のメリット

バリュー株のメリットは以下の2つです。

安定したインカムゲイン・配当金が期待できる

バリュー株は安定してインカムゲインを得られる可能性が高いです。インカムゲインとは、保有資産から得られる配当金などの収益を指します。

インカムゲインが得られる理由は、株主優待制度や配当金が充実した大企業がバリュー株に多いからです。バリュー株に投資することで、株価変動による利益は大きく得られなくても、配当利回りを高めることが可能です。

価格変動が小さい

バリュー株はグロース株と比べて価格変動が小さい傾向があります。価格の変動幅を金融業界では「ボラティリティ」と呼びます。バリュー株はボラティリティが小さいことが特徴です。

バリュー株は投資家からの人気が少ないため、株価が急激に変動することが少なく、損失を抱えるリスクも低いです。そのため、企業価値が回復するまで損失を抱えずに保有し続けることが可能です。

バリュー株のデメリット

バリュー株のデメリットは、以下の2点です。

銘柄選定が困難

バリュー株を選定するためには、企業の財務状況を示す指標であるPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)を用いて適切に企業価値を評価する必要があります。これらの指標を理解し、適切に判断するには、一定の株式知識と経験が求められます。

特に、株式投資初心者にとっては、これらの指標を用いた銘柄選定はハードルが高く感じることが多いです。バリュー株を選ぶ際には、なぜその銘柄が市場で評価されていないのか、株価が割安と判断される理由を十分に考慮することが重要です。また、株価が下がった場合に備えて損切りの基準をあらかじめ設定しておくことも重要です。

大きなリターンは期待できない

バリュー株は、一般的に企業の成長性が低く、株価が大幅に上昇することが少ないため、大きなリターンを期待することが難しいです。そのため、短期間で大きな利益を狙う投資家にとっては、バリュー株はあまり魅力的ではありません。

さらに、株主優待制度や配当金が充実している企業であっても、それが永続的に維持される保証はありません。インカムゲイン(配当金などの収益)が得られなくなるリスクも存在します。また、バリュー株は市場において「割安」と判断される水準から適正な価格水準に戻るまでに時間がかかることも多く、株価が期待どおりに回復せずに下落し続ける可能性もあります。このような場合、期待していたリターンを得られないリスクがあることを理解しておく必要があります。

グロース株の判断方法

グロース株を見極めるための方法は以下の4つです。

PBRで確認する

PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対する株価の倍率を示す指標です。企業の資産価値と比較して株価がどの程度割安か割高かを判断するのに役立ちます。

PBRは株価を1株あたりの純資産で割ることで計算できます。一般的に、PBRが1倍未満であれば株価は割安、1倍以上であれば割高と判断されます。したがって、PBRが1倍以上の場合は、その銘柄が成長の期待を込められているグロース株である可能性が高いと考えられます。

ROEで確認する

ROE(自己資本利益率)は、自己資本に対してどの程度の利益を上げているかを示す指標で、企業の収益性を評価する際に重要な役割を果たします。

ROEは純利益を自己資本で割り、さらに100を掛けてパーセンテージで表します。ROEが10〜15%以上であれば、企業が効率的に資本を活用して利益を上げていると判断され、そのような企業はグロース株である可能性が高いです。

PERで確認する

PER(株価収益率)は、1株あたりの当期純利益に対して株価が何倍になっているかを示す指標で、株価の収益性を評価するために用いられます。

PERは株価を1株あたりの当期純利益で割ることで求められます。PERが15倍未満の場合は株価が割安、15倍以上の場合は割高とされます。一般的に、PERが15倍以上の場合は、その銘柄が高い成長期待を持たれているグロース株である可能性が高いです。

利益や売上高の伸び率を確認する

企業の利益伸び率や売上高の伸びを確認することで、グロース株であるかどうかを判断することも可能です。売上高の伸び率は、当期の売上高から前期の売上高を差し引いた数値を前期の売上高で割ることで計算されます。

売上高の伸び率が10%以上であれば、その企業は高い成長性を持つと判断でき、そのような銘柄はグロース株である可能性が高いです。

グロース株とバリュー株は分散させるのがおすすめ

グロース株とバリュー株のどちらに投資するか迷う方には、両者に分散して投資する方法をおすすめします。グロース株は高いリターンを期待できる一方でリスクも高く、バリュー株は安定した配当が期待できるものの、リターンが少ない場合があります。

投資戦略としては、狙うリターンの大きさやリスク許容度、希望する投資期間に応じて、グロース株とバリュー株のバランスを調整することが重要です。初めて投資をする方は、まず自分の投資目標を明確にしてから、どのような割合で分散投資を行うかを決めることが大切です。

まとめ

グロース株とは、高い成長が見込まれる企業の株式を指し、短期間での値上がりや大きな利益を期待できる反面、リスクも大きいという特徴があります。一方、バリュー株は安定した収益が期待できるものの、大きなリターンは見込めないという特性があります。

どちらの株に投資するか迷った場合は、両方の株に分散して投資を行うことが推奨されます。投資にあたっては、各株のメリット・デメリットを理解し、自分の投資スタイルや目標に合った選択をすることが重要です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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