テンバガーとは?概要や特徴、メリット・デメリット、注意点についてわかりやすく解説

テンバガーとは?概要や特徴、メリット・デメリット、注意点についてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中には、以下のように考えている人も多いのではないでしょうか?

「テンバガー銘柄って何?概要や特徴について知りたい。」
「テンバガー銘柄の予測方法について知りたい。」
「テンバガー銘柄のメリット・デメリット、注意点について知りたい。」
当記事では、このような疑問を解決していきます。記事を最後まで読んでいただければ、上記の疑問について理解が深まるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

それでは解説していきます!

テンバガーとは

テンバガーとは、短期間で株価が10倍以上に急上昇した株式銘柄のことです。「テン」は英語で数字の「10」を意味し、「バガー」は野球の「塁打」を指します。

直訳すると「10塁打」という意味で、通常では考えられないほどの急成長を表す言葉です。この言葉は投資家のピーター・リンチ氏によって広まりました。

リンチ氏は株式投資に関連する研究で有名であり、彼の論文や書籍によって、テンバガーは世界中の投資家に注目されるようになりました。

テンバガーの特徴

テンバガーの特徴は、以下の3つです。

時価総額が低い

テンバガーになる可能性がある銘柄を見つけるためには、まず時価総額が小さい銘柄に注目しましょう。時価総額は、現在の株価に発行済株式総数を掛け合わせて求められます。

大企業のような大きな時価総額を持つ企業よりも、時価総額の小さい中小企業の株式の方が、大きく成長する可能性があります。中小企業は、東証一部に比べてマザーズや東証二部に多く上場しているため、これらの市場から時価総額の小さい銘柄を探してみてください。

上方修正が頻繁に起きる

株価の動向を予測する際に重要になるのが、企業の業績です。業績が好調で、今後も成長が見込まれる企業の株は購入されやすく、株価も上昇しやすい傾向にあります。

この業績の予測において、初心者が参考にすべき指標は「上方修正」です。企業は利益や売上高の予想を事前に発表しますが、業績が予想を上回る場合、上方修正を行うことがあります。

この際、上方修正が行われると、多くの投資家がその企業の株を購入し、株価は上昇します。さらに、上方修正が続くと、今後も業績が良くなるのではないかという期待が高まり、株価はさらに上昇しやすくなります。

上昇基調のチャートになっている

株価のチャート動向も確認する必要があります。まず、5年・10年といった長期間のチャートを確認し、株価が右肩上がりで上昇している銘柄を見つけてください。

その中でも、チャート上で何度も高値を更新している銘柄は、テンバガーになる可能性が高いです。

テンバガー銘柄の予測方法

テンバガー銘柄の予測方法は、以下の4つです。

過去の傾向から予測

これまでのテンバガーの候補とされる銘柄の特徴として、以下があります。

  • 高い利益率
  • 上場してから5年以内
  • 時価総額が300億円以下

時価総額が大きすぎる企業は、すでに注目されており、株価の急成長が期待しにくいため、短期間でテンバガーを達成するのは難しい傾向にあります。また、上場してから長期間経過している企業も、株価はゆっくりと成長することが多いため、テンバガーを達成するのは困難です。

最近テンバガーを達成した銘柄を確認すると、情報通信業など高い利益率の業種が多くなっています。情報通信業は高い利益率の場合が多く、多くのトレーダーから期待されています。

テーマやトレンドを十分に確認することも、収益の向上が見込める銘柄を見つける方針となります。上記の基準以外にも、テンバガーとなった企業にはさまざまな特徴が存在しますが、まずは上記の3つの基準を基に探してみるのがおすすめです。

株式チャートから予測

テンバガーになる銘柄の株式チャートの特徴は、上昇基調で、かつブレイクアウトが頻繁に発生することです。ブレイクアウトは、株価が一定のレンジを突破して大きく動くことを指します。

上昇基調であり、さらに頻繁にブレイクアウトが発生している場合、テンバガーを達成しやすいと考えられるため、株式チャートを確認し、銘柄を選定しましょう。

テクニカル分析による予測

MACDやRSI、移動平均線などのテクニカル指標を使用して、将来の株価の動きを予測する分析手法がテクニカル分析です。短期間の株価予測に利用されることが多いですが、テンバガーを予測する際にも活用できます。

例えば、トレンドをテクニカル指標を用いて把握できれば、今後急騰する銘柄を探し出すことが可能です。移動平均線は、過去の一定期間における終値の平均値を結んだラインで、相場のトレンドの勢いや方向の予測に役立ちます。

ファンダメンタル分析による予測

ファンダメンタル分析とは、企業や国の経済状況から株価の動きを予測する方法です。企業の場合、利益や売上高などの業績や、負債や資産などの財務情報が重要な指標となります。

ファンダメンタルの内容が株価にすぐ反映されることは少ないですが、テンバガーのような中長期投資の場合、ファンダメンタル分析は非常に重要です。中長期で見た場合、株価に企業の本質的な価値が反映されることが多いからです。

ファンダメンタル分析とテクニカル分析の両方が、テンバガー候補を予測する際に必要ですが、株価が理論通りに必ず推移するわけではないため、予測は難しいものです。

テンバガーのメリット

テンバガーのメリットは、以下の2つです。

キャピタルゲインを大きく狙える

テンバガーを狙う投資家は、キャピタルゲインを大きくすることを目的としています。保有する銘柄の株価が10倍以上に成長した場合、大きな資産の増加が期待できます。

しかし、保有する銘柄が成長した場合でも、満足するのは早計です。利益を確定するタイミングには注意が必要です。銘柄を売却した後も株価が上昇し続けた場合、損をした気分になる人も多いでしょう。そのため、適切なタイミングで売却することが重要です。

プロの投資家であっても、適切なタイミングでの売却は難しいものです。また、「もっと上昇する」と予測している間に、株価が下落し、損をしてしまう投資家も多くいます。

万能薬はありませんが、自分なりの基準を設定し、利益を確定することをおすすめします。

少額で投資可能

テンバガー銘柄は、500円以下の株価である低位株が多く、100円台の株価の銘柄も多く存在します。そのため、1銘柄あたり10万円台で投資が可能です。

これにより、複数のテンバガー候補に分散投資することでリスクを減らし、テンバガーとなる可能性のある銘柄に投資する確率も上げることができます。

テンバガーのデメリット

テンバガーのデメリットは、以下の3つです。

損失が大きくなる場合もある

テンバガーになる可能性がある銘柄は、低い株価のものも多く、多くの株数を売買する投資家も存在します。特に発行株式数の少ない銘柄で、大量に株式を保有する投資家が売買を行った際に、大きく株価が変動し、売買のタイミング次第では損失となる可能性があるため注意しましょう。

テンバガー銘柄に投資する場合は、短期的な株価の上下だけで判断せず、長期的に利益を目指すことを心掛けましょう。株式投資では、できるだけ安く購入し、できるだけ高く売却することで利益を得ることが目標です。

しかし、テンバガーのような急激に株価が上昇した銘柄は、その分下落も急速です。「もっと上昇するかもしれない」と考えて売却を遅らせる気持ちも理解できますが、あまりにも長く保有しすぎると、売却のタイミングを逃してしまうことも考えられます。

そのため、リスクをしっかりと認識し、他の株取引と同様に取引プランや戦略をあらかじめ立てておくことをおすすめします。

取引が成立しないこともある

売買が成立して初めて出来高が発生しますが、まだ注目されていない銘柄の場合、1日の出来高がほとんどないことも少なくありません。テンバガーを達成する前の銘柄は、出来高が少なく、購入したくても購入できない可能性があります。

また、売却したいと思っても買い手が見つからず、値段を下げなければならない場合もあります。

株価が予想通りに動かない可能性がある

テンバガー銘柄になる可能性がある株式の特徴として、「株価が低い」「話題の企業株」「時価総額が小さい」といった要素がありますが、これらの特徴をすべて満たしている場合でも、株価が必ずしも上昇するわけではありません。

株価が動かずに、売却しても利益が出ないため、保有し続けなければならない「塩漬け株」となってしまう可能性もありますので、注意が必要です。

テンバガーの注意点

テンバガーの注意点は、以下の3つです。

配当金が少ない

テンバガー銘柄の多くは、テンバガーを達成する前には配当金が少ない、もしくは全くない場合があります。その理由は、事業投資に資金が使われるためです。

したがって、配当金を目的に投資する人には、テンバガー銘柄への投資はおすすめできません。

達成にはある程度の時間が必要

テンバガーになる可能性がある銘柄でも、株価が10倍になるにはそれなりの時間が必要です。数ヶ月で10倍に成長することはほとんどなく、多くの場合、長い時間をかけて少しずつ株価が上がっていきます。

銘柄によっては、大きなニュースが発表されたことで株価が急上昇することもありますが、購入してすぐに株価が高騰することは稀です。さらに、テンバガーを長期的に達成する銘柄であっても、短期的には大きく株価が下落する場合も考えられます。

そのため、テンバガーになる可能性がある銘柄に投資する際は、同じ銘柄を数年間保有し続ける覚悟が必要です。

倒産や上場廃止となる可能性がある

上場して間もない時価総額の低い銘柄は、10倍以上の株価に成長する可能性がある反面、倒産や上場廃止のリスクもあります。1つの銘柄に集中して投資せず、複数の銘柄に分散して投資することでリスクを分散させることが重要です。

テンバガー銘柄への投資は、株式投資の醍醐味ともいえるリターンを得られる可能性がありますが、テンバガーを達成する銘柄は非常に少なく、業績が順調に上がったとしても株価の伸びがそれほど大きくない場合や、テンバガー達成目前で株価が下落する場合など、実際の相場では予想通りに株価が上昇しないケースも多いです。

投資のプロでも正確に株価の動きを予測することは難しいため、テンバガー銘柄に投資する際は、テンバガーが達成されればラッキーくらいの気持ちで投資することが重要です。

まとめ

テンバガーとは、短期間で株価が10倍以上に急上昇した株式銘柄のことです。テンバガーの特徴には、時価総額が低い、上方修正が頻繁に起きる、上昇基調のチャートが見られることなどがあります。

テンバガーのメリットには、キャピタルゲインを大きく狙えることや少額で投資できることがあります。一方で、配当金が少ない、達成には時間が必要、倒産や上場廃止のリスクがあるなどのデメリットも存在します。

そのため、テンバガーに興味がある、もしくは挑戦しようと思っている方は、テンバガーの概要やメリット・デメリット、注意点を十分に理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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