VIX指数とは?VIX指数に投資するメリット・デメリット、投資に活用する方法についてわかりやすく解説

2024.08.24

VIX指数とは?VIX指数に投資するメリット・デメリット、投資に活用する方法についてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中には、「VIX指数って何?概要や変動タイミングについて知りたい。」 「VIX指数に投資するメリット・デメリットについて知りたい。」 「VIX指数を投資に活用する方法について知りたい。」このように思われている人も多いのではないでしょうか?

当記事では、このような悩みを解決していきます!記事を最後まで読んでいただければ、これらの悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。それでは解説していきます!

VIX指数とは

VIX指数は、英語の「Volatility Index」の頭文字を取った略称であり、「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の株式市場への心理状態を数値化したものです。

一般的に価格の変動度合いを表しますが、商品の価格変動が大きいことは、ボラティリティも大きいことを意味し、反対に商品の価格変動が小さいことは、ボラティリティも小さいことを意味します。ボラティリティは、価格の下落・上昇の変動の大小を示すものですが、恐怖指数は投資家が今後相場が大きく上昇しそうと判断する、もしくは相場が急激に変動した場合に大きくなります。

VIX指数は、米国株価指数であるS&P500を基準にCBOEが算出し公表するものです。S&P500先物におけるオプション取引の数値を基準に、今後30日で市場がどういった変動を見せる可能性があるのかを示したものです。

S&P500先物は、米国の500社におよぶ代表企業の株価指標における先物取引価格です。今後の価格予想が先物価格に影響します。

株式市場における価格変動が大きく、投資家が市場に対し不安になると指数が上がり、株式市場が金融危機により暴落するなど、市場に対する投資家の不安が大きくなると、指数も大きく上がる可能性が高いです。

また、日経平均株価におけるVIX指数を示した数値を「日経平均ボラティリティ・インデックス」と呼びます。S&P500の相場が激しく変動する場合や、相場価格が急激に下がった場合に指数が上がるのに対して、日経平均株価の相場が激しく変動したり、大きく下落したりする場合に日経平均VIも上昇する仕組みです。

VIXが表す意味と変動タイミング

VIXが表す数値は、株式市場が暴落するなど、投資家の市場に対する不安が高くなった際に数値も上昇する仕組みです。通常、数値は10~20程度で推移し、数値が20を示す際は、今後1年間に株価が7割程度の確率で20%の範囲で上下に変動すると投資家は考えています。

この20が目安とされ、数値が20以上の場合、投資家の市場に対する不安が若干高まっていることを意味します。30以上の場合、市場に懸念すべき材料が多くあり、注意が必要です。

数値が40以上になった場合は、株式市場が非常に不安定な状態です。VIX指数が上がることは、不安定な経済状況を意味するため、株式指数などは景気の影響を受けて下落する場合が多く、逆相関関係と判断できます。

投資に挑戦しようと思われている方は、VIX指数が大きい時に株価がどのように動くか理解しておくことが必要です。株価の変動を表したVIX指数は、株価の大幅な下落のみならず、上昇が見込まれる際にも数値は変わります。

しかし、ほとんどの場合、株価は下がる際には激しく変化し、上がる際は緩やかに変化します。つまり、急騰に比べ、急落の方が発生しやすいです。そのため、VIX指数が上がると株価が急激に下落することが予測されます。

例えば、今後値動きが激しくなる可能性があり、リスクが上昇すると投資家が判断する場合、積極的に株式が現金に換えられます。そうなるとVIX指数は上昇し、売りが売りを呼ぶ状況が進んだ際に市場は大きな混乱を生むため、株価の下落が起こる仕組みです。

経済動向といったファンダメンタルズ要因や、今後の相場の動きの不安といった心理的要因によりVIXは変化し、2008年に発生したリーマンショックの際には、95%程度まで一時的に上昇し、コロナショックの際には85%程度まで指数が上がっています。

VIXに投資するには

VIX指数は、投資家の不安などから株式市場の動きを予測することに加え、その指数の値動きに連動するETFに投資できます。

ETFは、英語の「Exchange Traded Fund」の頭文字を取った略称であり、上場投資信託を意味する言葉です。投資信託の中の1種であり、証券取引所に上場し、NYダウやTOPIX、日経平均株価といった指数に連動することを狙って運用される商品です。

通常、投資信託の場合は1日の取引が終了し、その結果によって投資信託の基準価格が決まります。しかし、取引が市場で実施されている際は、常に相場が変動しています。

投資信託の場合、取引回数が決まっているため、相場が常に変動しているものに投資を行うのは不可能ですが、ETFの場合はリアルタイムで取引可能です。VIXにおけるETFには、VIX指数と連動することを狙いデリバティブが使われたETFが存在し、このETFを購入することによって、リアルタイムでVIXの値動きに対し投資を行えます。楽天証券やSBI証券などの主要ネット証券を使う場合は、日本円やドルで、できるだけ手数料を抑えた取引が可能です。

VIX指数に投資するメリット

VIX指数に連動するETFに投資するメリットとして、株価が急激に下落する時に利益が獲得できることがあります。S&P500が将来的に急激に下がるような際は、急落を予測し、数値が上がるVIXに連動したETFに投資を行うことにより、リスクを下げることが可能です。

日本の株式市場や日経平均株価が下落する状況でも、上がる場合も存在し、S&P500に限らずTOPIXや日経平均株価といった日本株においてもリスクヘッジで活かせることがあります。また、大きく相場が下落し大きな変動が予想される場合は、VIXに対して連動するETFに投資すれば、相場が実際に急落し、VIX指数が上がった際にETFを売却することで、値上がり益を獲得できる可能性が高いです。

しかし、予想と異なり、相場の変動が小さい、もしくは下げ幅が小さい場合には損失となる可能性もあるため、注意する必要があります。VIX指数であれば先物取引も行えるので、これまでにVIX指数が急激に上昇した際に先物売りを実施することで、VIX指数の下落幅により利益を獲得することが可能です。

先物売りでは、現在の価格で売却することを約束し、期日のタイミングでの価格で再度購入することにより、差額で利益が獲得できます。その結果、その後に以前の水準に価格が変わると見込まれるため、差額で利益が獲得できる仕組みです。

しかし、上記で記したような相場は、数年に一度発生するかどうか程度の滅多にない状態です。また、タイミングについても、数値を見て確実に判断できない場合、VIX指数が上がった場合に損失となってしまう可能性もあります。そのため、実際に取引を行う際は、慎重に判断する必要があります。

VIX指数に投資するデメリット

VIXと連動しているETFは、市場が好調な際には下落し続ける仕組みです。何かしらの理由により、大きくVIX指数が上昇した場合にのみ株価が急騰するものの、それ以降の経済の落ち着きに伴って株価は元の価格に戻った後、さらに下がります。

指数に連動したETFは、短期の売買によって利益を獲得するETFだと理解し、長期的に価格が上がることは期待できません。また、S&P500における価格変動が予想よりも小さければ、VIX指数も上昇せず損失が発生することもあります。

VIX指数と連動している同じ先物であったとしても、残存期間の長い先物より、短い先物の方が安い値段になることもあります。その性質を使って利益を獲得することも可能ですが、初心者の場合は予期せぬ大きな損失を発生させてしまう可能性も高くなるため、注意が必要です。

そのため、小額の取引にするか、S&P500に投資する際のリスク分散として使うのがおすすめです。

日経平均株価が下落する場合に利益を獲得したい、もしくは日経平均株価が下落した際のリスク分散を実施する場合は、日経平均VIを利用しましょう。国内の証券会社で国内ETFのVIX短期先物指数は取り扱われているものの、米国ETNのVXXに限っては、日本の証券会社で取り扱われていない場合が多いです。

取り扱っている証券会社の場合でも、VXXに投資を行う場合、CFD取引のみ対応していることも多いので、VXXに日本国内から投資するのは難しいといえます。

VIX指数を投資に活用する方法

VIX指数を投資に活用する方法を2つ紹介します。

リスクヘッジ

株式とVIX指数は、逆相関と呼ばれる負の相関関係ですので、VIX指数と連動する金融商品を使って分散投資できます。この手法は、トレーダーや機関投資家も実施している手法です。

また、VIX指数は、株式相場が上昇する場合に比べ、下落する場合に大きな連動を見せる傾向があります。株式を持つ投資家からすれば、VIX指数に関連した金融商品を持つことは、相場が下落した場合にもリスクヘッジ効果を大きく発揮してくれます。

状況判断

VIX指数が20以上の場合、今後の相場の動きに不安を感じ、現在持っている株式を売却した方が良いのか悩む人も多いでしょう。指数が示すのは、今後の相場全体における変動幅です。

株式を持っている企業の業績に問題がない場合、株価の下落は限定的で一時的な可能性もあります。今後企業の業績が期待できる場合、一時的に下落したタイミングが新たに株を購入するチャンスともいえます。

まとめ

VIX指数は、英語の「Volatility Index」の頭文字を取った略称であり、「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の株式市場への心理状態を数値化したものです。数値は、株式市場が暴落するなど、投資家の市場に対する不安が高くなった際に上昇する仕組みです。

VIX指数は、投資家の不安などから株式市場の動きを予測することに加え、その指数の値動きに連動するETFに投資できます。

VIX指数に連動するETFに投資するメリットとして、株価が急激に下落する時に利益を獲得できることがあります。その一方で、VIX指数に連動したETFは、長期的に価格が上がることは期待できないのがデメリットです。

リスクヘッジとして利用する方法や、状況判断で利用する方法があります。

投資に興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている方は、VIX指数の概要や投資に活用する方法について十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

Action Hub編集部

このライターの記事を見る

市場の最新動向、専門家の分析、独自のリサーチレポートなどを通して、価値ある情報をハイエンドな投資家に提供します。

Share この記事をシェアする !

Related Articles 関連記事

Top Articles 人気記事

Contact お問い合わせ

投資の相談や気になることがあれば、
Action合同会社までお気軽にお問い合わせください。

免責事項について

当ウェブサイトは、弊社の概要や業務内容、活動についての情報提供のみを目的として作成されたものです。特定の金融商品・サービスあるいは特定の取引・スキームに関する申し出や勧誘を意図したものではなく、また特定の金融商品・サービスあるいは特定の取引・スキームの提供をお約束するものでもありません。弊社は、当ウェブサイトに掲載する情報に関して、または当ウェブサイトを利用したことでトラブルや損失、損害が発生しても、なんら責任を負うものではありません。弊社は、当ウェブサイトの構成、利用条件、URLおよびコンテンツなどを、予告なしに変更または削除することがあります。また、当ウェブサイトの運営を中断または中止させていただくことがあります。弊社は当サイトポリシーを予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。