IPOとは?条件や投資するメリット・デメリット、申し込む流れについてわかりやすく簡単解説

2024.07.08

IPOとは?条件や投資するメリット・デメリット、申し込む流れについてわかりやすく簡単解説

投資基礎知識

IPOに投資しようか検討している人の中で

「IPOって何?概要や条件について知りたい。」
「IPOに投資するメリット・デメリットについて知りたい。」
「IPO投資を申し込む流れについて知りたい。」

このように思われている人も多いのではないでしょうか?

当記事ではこのような悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

それでは解説していきます!

IPOとは

IPOは、英語の「Initial Public Offering」の頭文字を取った略称です。
取引所にはじめて株式を上場することであり、上場とは一般の方が東京証券取引所など、それぞれの取引所から株式を売買できるようにすることです。

つまり、簡単にいうと、株式が証券取引所に流通していない会社の株式を流通可能にするということです。
このような意味から、日本語では「新規株式公開」や「新規上場」と呼ばれることもあります。

しかし、細かくいうとIPOは、公開や上場といった過程だけでなく、一般の投資家に対し、企業が資金を調達する目的で株式を新しく発行し販売したり、株主がすでに保有している株式を売却したりすることも意味します。

h2 IPOの条件

証券取引所に上場するためには、証券取引所に株式を登録する必要があり、そのためには流通株主比率や流通株式数、株主数など、各市場で設定されている基準値を満たさなければなりません。
理由は、自由に制限を設けずに上場可能な仕組みにしてしまうと、公開する経営状況や財務内容を誤魔化していたり、経営の基盤が安定しないことで上場後すぐ倒産してしまったりといった企業も上場する可能性が考えられるからです。

万が一証券取引所が実施する審査の基準が甘く経営状況や財務内容を誤魔化している企業が市場に多数上場してしまった場合、投資する価値がある優良企業か判断するのが難しくなってしまいます。
そうなると、投資家が取引を躊躇うため、市場の停滞に繋がる可能性があります。

そのため、審査基準を厳しくすることによって、投資家が安心して積極的に取引できる市場環境が構築されているのです。

IPOとの違い

IPOと、それぞれの違いについて解説します。

上場

上場もIPOも、どちらも上場していない企業が証券取引所で自社株式を一般の投資家が売買可能にすることです。
そのため、一般的に上場とIPOは同じ意味で使用されることが多いですが、正確に言うと、この2つには多少異なる点が存在します。

上場は、自社株式の取引が証券取引所で認められることを指します。
新しく株式を発行することなく、証券取引所ですでに発行している株式に限り公開する場合も上場です。

その一方でIPOは、新しく公開する株式が証券取引所で取引することが認められることを指します。
そのため、前述した上場と異なり、新しく株式を発行する場合のみ該当します。

しかし、日本の場合、多くの企業が上場する際に新しく株式を発行しますので、上場とIPOはほぼ同じものだと考えて問題ありません。

直接上場

上場する前にすでに発行していた株式のみ使用し、新しく株式を発行せず上場するものです。
また、直接上場は、資金を調達することが目的でなく、新しく発行した株を引き受ける証券会社や銀行などを使わないので、上場する際にかかる引受手数料といったコストが大きく減らせるといった特徴があります。

IPOと違い、資金の調達が目的ではありませんので、幹事証券会社などに対して支払う必要がある、新株発行費用といった費用を削減できます。
しかし、直接上場の場合、上場の大きなメリットと言える資金調達などが不可能であり、株式のリスク評価や価値決定が難しくなるデメリットがあるため、日本国内で直接上場した企業はほとんど存在しません。

PO

POは、英語の「Public Offering」の頭文字を取った略称であり、公募を意味します。
証券取引所に対し、IPOでは新しく発行した株式を公開しますが、POの場合はすでに証券取引所に上場済の企業が、資金調達などのために新しく株式を発行します。

また、すでに発行済の株式を株主が売る「売出し」により、企業の持っている自社株式などを放出するのも含まれるため、理解しておきましょう。
POはすでに取引所に上場済の企業が実施しますので、投資家には経営状態や業績を調査しやすいメリットがあります。

また、一般的に公募価格は流通する株価に比べ割安の価格のため、お得感を感じられます。

その一方で、POを実施した場合、市場に取り扱われる株式の量が増加しますので、その分希少性が薄くなり、株式価格は下がりやすいです。
また、企業が増資により獲得した資金は、設備投資等で利用されることが多く、このような際は、業績に反映されるまである程度の時間が必要になりますので、短期的な利益は見込めません。

そのため、購入する場合は、短期的ではなく、長期的な視野で検討する必要があります。

IPOに投資するメリット

IPOに投資するメリットは、以下3つです。

成長企業に投資が可能

IPOへ投資することで、成長企業に投資が可能です。
その理由は、IPO投資可能な企業の場合、幹事証券会社が実施する審査に通過し、基準を満たした企業のみ上場できるからです。
幹事証券会社は、IPOで株式を公開する際の事務手続きといった、上場する準備をサポートする会社になります。

審査では、社内体制は十分整備されているのか、企業が取り組んでいる事業は持続可能かどうかなどを確認します。
成長が期待される企業に対し投資できますので、利益を大きく得られる可能性が高いです。

短期間で利益を出せる

IPOでは、2〜3週間という短い期間で、大きな利益を獲得できる可能性があります。
通常の株式に投資する場合、購入した直後から価格が動くため、2週間保有するだけでも、相場の上下により、気持ちがなかなか落ち着かない場合もあります。

しかし、IPOであれば、日常的に値段を気にせずとも、ただ上場するのを待てばよいため、通常の株式投資に比べ精神的負担が少ないです。

公開価格を初値が上回ることがある

IPOは、取引所に上場する前に、はじめに購入者を募集し、抽選によって株式の販売を行います。
当選した際の購入価格は、割安になっていることが一般的なため、上場した後のはじめの価格が、公開価格より高くなる場合が多いです。

そのため、これまで投資を行ったことがない初心者であっても、当選できれば、初値で公開価格で取得した株式を売るだけで利益が得られる可能性があります。

IPOに投資するデメリット

IPOに投資するデメリットは、以下3つです。

当選する確率が低い

IPO投資では、当選する確率が低いというデメリットが存在します。
IPO投資に多数の人が注目しているので、抽選に申し込む人も多く、そこから選ばれなければ購入できません。

会社が販売する株は、数に限りがありますので、抽選に参加する人が増えれば増えるほど、当然当選確率も低くなってしまいます。
当選する確率は、平均1〜2%と言われ、非常に狭き門と言えます。

同じ機会を多くの人が狙っており、抽選に参加した人が全員購入できるわけではありませんので、理解しておきましょう。

投資資金が制限されている

ネット証券でIPO投資を行おうと思うと、基本的に限度を100株に設定されます。
これまでの実績を考察するに、1株の公募価格が5,000円以上になることはほとんどないため、投資金額は50万円以内になる場合がほとんどです。

そのため、50万円を超える金額で購入を検討している場合でも、限度が設定されている関係上困難です。
複数社からIPO銘柄を購入するか、限定がない証券会社を使い購入する手段も存在しますが、そのような場合でも一度に複数の株数を取得するのは難しいでしょう。

公募価格割れもある

公募価格割れもあることに注意が必要です。
公募価格とは、初期価格のことであり、はじめに定められた価格のことです。

会社の将来性に市場が不安を抱いた際、公募価格に比べ株価が低くなることもあります。
利益を大きく得られる可能性があるIPO投資ですが、その反面、公募価格割れとなるリスクが存在することも忘れてはいけません。
市場の動きは誰にも予測できませんので、失敗しないように慎重に取引するようにしましょう。

IPO投資を申し込む流れ

IPO投資を申し込む流れは、以下の通りです。

IPO株をチェックする

はじめに、IPO株の情報やスケジュールをチェックします。
年間50~100株程度のIPO株が上場しますので、スケジュールをあらかじめ把握しておくことが大切です。

十分にスケジュールが把握できていない場合、申し込む予定が、気付いたら終わっていたという事態に繋がる可能性があります。
スケジュールの確認が完了した後は、IPO株を選びます。

IPO投資は、基本的に利益が獲得できる可能性が高いといわれていますが、必ず利益を得られるわけではなく、公開価格に比べ初値の方が低価格な場合も少なくありません。
成長している企業や競合の少ない企業の場合、初値上場が見込めますので、IPO株情報をあらかじめ調べておけば利益を得られる確率を高められます。

目論見書をチェックする

投資するIPO株が決まった後は、目論見書のチェックを行います。
目論見書は、投資するかを投資家が判断する際に、重要となる項目が確認できる文書です。

目論見書には、非常に細かい部分まで情報が記載されていますので、はじめのうちは難しく感じるでしょう。
しかし、投資する価値があるかを見極める大切な材料ですので、利益が得られる可能性を少しでも上げたいという人は必ず確認してください。

少なくとも、事業内容や財務データ、発行株数といった項目については必ず確認しておきましょう。

ブックビルディングへ申し込みを行う

目論見書に目を通したら、ブックビルディングへ申し込みを行います。
ブックビルディングは、新たに株式を発行する時に、投資家が希望する購入株数を基準に公開価格を定めることです。

どの程度需要があるか考慮した上で、販売する価格を決定します。
ブックビルディングの申し込みでは、仮条件としてあらかじめ示された価格を基準に、希望する購入枚数を伝えましょう。

この枚数はあくまでも希望枚数ですので、公開価格が正確に定められてから再度購入する枚数について検討できますので安心してください。
また、申し込みは実施したものの、購入を辞めるという選択も可能です。

購入を申し込む

公開価格が決まり公表されたら、抽選に申し込みます。
そして、見事当選した場合は、購入を申し込みます。

ほとんどの場合、当選結果が公表された日の翌日~数日間が購入できる期間です。
購入する際には、再度目論見書を確認するのがおすすめです。

また、例え当選した場合でも、別に購入の申し込みを行わないと、購入を辞めたと判断されてしまいますので、必ず忘れずに申し込みましょう。
購入を申し込む際は、証券会社から実施するのが基本です。

IPO投資にはじめて取り組む際、口座作成・入金といった手続きが必要ですので、余裕を持って進めてください。

まとめ

IPOは、英語の「Initial Public Offering」の頭文字を取った略称です。
取引所にはじめて株式を上場することであり、上場とは一般の方が東京証券取引所など、それぞれの取引所から株式を売買できるようにすることです。

IPOに投資するメリットには、成長企業に投資が可能なことや、短期間で利益を出せること、公開価格を初値が上回ることがあります。
その一方で、当選する確率が低い、投資資金が制限されているといったデメリットも存在します。

IPOに興味を持っている、もしくはIPOに投資しようか検討されている方は、IPOの特徴や投資するメリット・デメリットについて十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

Action Hub編集部

このライターの記事を見る

市場の最新動向、専門家の分析、独自のリサーチレポートなどを通して、価値ある情報をハイエンドな投資家に提供します。

Share この記事をシェアする !

Related Articles 関連記事

Top Articles 人気記事

Contact お問い合わせ

投資の相談や気になることがあれば、
Action合同会社までお気軽にお問い合わせください。

免責事項について

当ウェブサイトは、弊社の概要や業務内容、活動についての情報提供のみを目的として作成されたものです。特定の金融商品・サービスあるいは特定の取引・スキームに関する申し出や勧誘を意図したものではなく、また特定の金融商品・サービスあるいは特定の取引・スキームの提供をお約束するものでもありません。弊社は、当ウェブサイトに掲載する情報に関して、または当ウェブサイトを利用したことでトラブルや損失、損害が発生しても、なんら責任を負うものではありません。弊社は、当ウェブサイトの構成、利用条件、URLおよびコンテンツなどを、予告なしに変更または削除することがあります。また、当ウェブサイトの運営を中断または中止させていただくことがあります。弊社は当サイトポリシーを予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。