投資基礎知識
投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で
「パッシブ運用って何?概要やアクティブ運用と異なる点について知りたい」
「パッシブ運用の主な種類について知りたい」
「パッシブ運用とアクティブ運用のそれぞれのメリット・デメリットについて知りたい」
このように思われている人も多いのではないでしょうか?
当記事ではこのようなお悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記のお悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます!
目次
目次
パッシブ運用とは
インデックス運用と呼ばれることもあり、市場全体における値動きと連動した運用を狙ったものです。
そのため、市場平均と獲得できるリターンもほとんど変わりません。
運用の良い悪いを判断する尺度は、どの程度市場全体における動きと離れていないかになります。
そのため、市場平均以上となる運用の場合、良い運用ではありません。
さらに、利益を獲得するためには、右肩あがりに市場全体における値動きが推移しなければなりません。
アクティブ運用とは
アクティブ運用は、市場平均以上の投資成果を狙って運用されます。
パッシブ運用であれば、ほとんど銘柄の入れ替えや選別が必要ないですが、アクティブ運用の場合は、市場平均以上の投資成果を狙うので、投資戦略は運用担当者によって立てられる仕組みです。
その戦略と合った銘柄を選ぶには、企業を調査し分析する必要があります。
また、投資戦略に合うよう、市場変化に応じ銘柄を入れ替えることも必要です。
そのため、ほとんど銘柄を入れ替えないパッシブ運用と比較し、運用に多くのコストがかかる場合が多いです。
ちなみに、アクティブ運用の場合は、銘柄選びにおいて運用担当者の技量次第で大きく運用成果が変わり、市場平均以上のファンドもある一方で、市場平均以下のファンドも存在します。
パッシブ運用の主な種類
パッシブ運用の主な種類は、以下2つです。
インデックスファンド
債券指数、ダウ平均やS&P500などの外国株指数、TOPIXや日経平均株価といった株価指数など、市場全体における値動きを示した指数をベンチマークに、その動きとの連動を目指し運用を行う投資信託のことです。
そもそもベンチマークとは、運用時に目標とされる基準を指します。
代表的なパッシブ運用の商品で、安い手数料に加え、長期的にリターンが安定して獲得できることがメリットです。
ETF
ETFは、英語の「Exchange Traded Funds」の頭文字を取った略称であり、取引所に上場する投資信託のことです。
前述したインデックスファンドと同じように、市場全体における値動きと連動を目指し運用が行われることが特徴です。
インデックスファンドと比較し、自由に売買タイミングが選択できます。
また、売買は取引所を通じ行うので、流動性が高いこともメリットです。
パッシブ運用のメリット
ここでは、パッシブ運用の主なメリットを3つご紹介します。
コストを抑えられる
アクティブ運用に比べ、パッシブ運用はコストを抑えることが可能です。
パッシブ運用の場合、事前に定められたベンチマークに沿うように運用されます。
そのため、時間を要する投資戦略は運用を行う担当者が立てたり、手間のかかる計算をしなくて済むため、そこまでコストが発生しません。
インデックス投資信託で発生する信託報酬は、一般的に0.1〜0.3%程度なのに対し、アクティブ運用の場合は、1%を超えることが多いです。
上記からもわかるように、アクティブ運用に比べ、パッシブ運用のほうが10分の1以下のコストに削減できます。
そのため、コストをできるだけ低く抑えた資産運用に挑戦したい人は、パッシブ運用がおすすめです。
シンプルな運用方法
指標と連動する運用を狙っているので、仕組みがシンプルであり、投資初心者からしてもわかりやすい特徴があります。
指数が上がった場合には利益を獲得でき、下がった場合には、その分利益も減ります。
投資信託に関して詳しい知識がない場合でも、指標を確認すれば大まかな運用状況について把握することが可能です。
その一方で、高いリターンを狙うアクティブ運用の場合は、市場調査や分析などを運用担当者が実施し、価値が上がると予測される債券や株を選択する方法です。
投資についてある程度の知識を所有していない場合、現状どのような運用が行われているのか理解できません。
また、アクティブ運用で商品を選択するためには、投資商品や商品知識が欠かせません。
運用方針について、多種多様な投資方法やその内容を理解していないと、成果が出せる商品を選定することは難しくなります。
運用担当者の影響を受けない
パッシブ運用の場合、アクティブ運用と比較し運用担当者の運用方針やスキルが、運用実績に影響しません。
機械的にマーケットに合わせ運用されるので、運用担当者が判断を間違えたことによって発生するリスクが減らせます。
アクティブ運用によるファンド商品を選ぶ際、運用担当者の実力を把握するには、他のファンドの運用実績を確認しなければなりません。
しかし、はじめて確認する際は、どの数字を確認し信用するのか判断が難しいかと思います。
パッシブ運用の場合、データ分析ツールを使いベンチマークに対し、銘柄と比率が乖離しないように決められるので、運用担当者の実力に影響されません。
パッシブ運用のデメリット
パッシブ運用のデメリットは、以下3つです。
商品が限定される
パッシブ運用の商品は、商品が限定されるのがデメリットです。
国内では、約6,000本の投資信託が販売されていますが、パッシブ運用商品となると、1,000本未満の数まで絞られます。
証券会社の窓口での販売は、アクティブ運用商品がメインのため、パッシブ運用商品は限定されています。
世界経済の影響を大きく受ける
ベンチマークが市場の平均利回りなどであるパッシブ運用を実施している際、市場と同様に保有する商品が値動きします。
コロナショックなどの世界経済が危機に陥った際は、保有する商品の価格が下がり、大きく損をする場合があります。
このように、パッシブ運用では、大きく世界経済に影響されるので、長期的視点を持ち資産を増加させていくことが必要ということを、しっかりと理解しておいてください。
大きな利益は期待できない
マーケットの値動きに対し連動を狙うため、大きな利益は見込めません。
手堅く予測可能な範囲における利益を狙う手法であり、中長期的にリスクを抑えつつ投資したい人に向いています。
また、リスクが低いことから、初心者でも挑戦しやすい商品です。
アクティブ運用のメリット
アクティブ運用のメリットは、以下2つです。
大きな利益が期待できる
アクティブ運用では、大きな利益が期待できます。
アクティブ運用で大きな収益を狙える理由は、ベンチマーク以上の成果を狙っている運用スタイルだからです。
プロの運用担当者が、個別銘柄や市場の調査を十分に行い分析します。その結果から銘柄を選び運用を行うため、運用成績次第では、短期間で大きな利益を獲得できる可能性があります。
アクティブ運用は、このような特徴から、大きな利益を早く獲得したい人におすすめの商品です。
種類が多い
アクティブ運用を使ったファンドの場合、多くの銘柄数があり、投資家の好みやニーズに合った選択肢が増加するメリットがあります。
投資対象を健康や脱炭素、SDGsといったさまざまな切り口から絞り込めます。
割安銘柄や中小型株などに絞り込んだ運用を行うなど、それぞれのテーマに合った運用方針が設定されているのが特徴です。
機械的にベンチマークとの連動を狙って運用されるパッシブ運用に対し、アクティブ運用の場合は運用担当者の意思や運用方針が反映されます。
多数ある種類の中から、自分の理念や運用方針に沿って投資できるのは、魅力的なポイントでしょう。
アクティブ運用のデメリット
アクティブ運用のデメリットは、以下3つです。
複雑な投資商品がある
アクティブ運用の商品には、さまざまな商品や国に対し投資を行っているので、複雑な仕組みの商品も存在します。
レバレッジが効いていたり、為替リスクが存在したりなど、商品が複雑化するとリスクがどこに存在しているのかわからなくなってしまいます。
自分の投資する商品について把握できないのは、投資家にとってリスクが大きいです。
コストが高い
ベンチマーク以上の成績となるよう、運用担当者が調査したり、分析したりするため、人件費が多くかかってきます。
アクティブ運用の場合、購入する際の手数料がかからない「ノーロード」商品が増えてきているものの、手数料が3%以上になる場合もあります。
このような特徴から、パッシブ運用と比較しコストが高い場合が多いです。
運用担当者の影響を受ける
運用担当者が調査や分析、方針立案を実施するので、どの程度成果が出せるかは運用担当者のスキルや知識に影響されます。
運用担当者のスキルが乏しい場合は、市場平均以下の運用成績になる場合も当然あります。
そのため、大きな利益を獲得するには、これまでの運用成績などを確認することが大切です。
また、運用担当者がどのような人物なのか、どのような考え方に基づいて運用方針を決めているのかも知るようにしましょう。
長期投資ではパッシブ運用がおすすめ
パッシブ運用の場合、コストを抑えて始められることがメリットです。
投資初心者にとってハードルといえる初期投資の金額や、投資に対する専門的知識が足りないなどの課題を減らせます。
ETFやインデックスファンドを使うことで、数千円という少額で分散投資できます。
パッシブ運用の場合、特定のセクターや市場全体に対し広く分散投資を行うので、リスクも分散でき、リターンを安定させられる可能性が高いです。
しかし、長期的視点が投資する上で成功のポイントになるため、市場の一時的な変動に影響を受けないよう、パッシブ運用について理解する必要があります。
特に初心者であれば突然大きな含み損が発生した際に、焦ることがあります。
そのような事態に陥らないためにも、長期的視点で取り組む投資だと十分理解しておきましょう。
まとめ
パッシブ運用とは、インデックス運用と呼ばれることもあり、市場全体における値動きと連動した運用を狙ったものです。
パッシブ運用のメリットには、コストを抑えられることや、シンプルな運用方法であること、運用担当者の影響を受けないことがあります。
その一方で、商品が限定されたり、世界経済に影響を受けたりといったデメリットも存在します。
そのため、パッシブ運用に興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている人は、パッシブ運用の概要やメリット・デメリットについて十分理解した上で検討することが大切です。
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