レーティングとは?要素や投資で活用する方法、注意すべきポイントについてわかりやすく解説

レーティングとは?要素や投資で活用する方法、注意すべきポイントについてわかりやすく解説

投資基礎知識

投資に興味を持っている、もしくはすでに投資している人の中で

「レーティングって何?概要や要素について知りたい」
「レーティングを投資で活用する方法について知りたい」
「レーティングの活用で注意すべきポイントについて知りたい」

このように思われている人も多いのではないでしょうか?

当記事ではこのようなお悩みを解決していきます!
記事を最後まで読んでいただければ、上記のお悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

それでは解説していきます!

レーティングとは

投資を行う際の判断材料に対し、段階評価を行うことです。

格付けと呼ばれることもあり、調査会社や証券会社が商品や企業、国などを独自に評価し数字や星の数、ABCなどで評価結果を示します。

中立的な立場で外部によって作成された投資指標です。

評価の期間や頻度、基準は会社によって異なります。評価対象に関しても、ただ単に運用成績や業績の良し悪しに限らず、定められている運用のルールを遵守しているかなども、評価対象に含まれることがあります。

なお、株式レーティングは株価を評価したもののことです。

ABCといった段階で示すので、一目で評価がわかり、投資する際に使う判断材料として手軽で便利なものとして利用されています。

しかし、日本の国債が2002年に2ランク一度に下がるなど、状況次第で変動する場合があるため動向には注意しておく必要があります。

株式レーティングの要素

株式レーティングの要素には、以下2つの要素があります。

事業リスク

事業の運営にあたり、損失となり得るリスクのことです。プラスの将来的なキャッシュフロー、特に本業で企業が獲得したお金と、将来に向け投資した費用差額のフリーキャッシュフローを発生させる力や、どのようにその力を産出する資産価値が変化するのか確認を行います。

例えば、事業自体や業界の将来性だけでなく、将来的なキャッシュフローで確認可能な資産価値や手元資金における潤沢性、それらの予測で分析されるものです。

事業は必ず儲かるわけではなく、利益が必ず出るわけではありません。

事業の運営にあたり、必ずリスクは存在するものです。

そのため、事業リスクを考慮することで、今後その銘柄の価値は上昇するのかといった判断材料に使えます。

また、どんなに備えていた場合でも、人災や天災といった不測の事態が発生する可能性もあります。

グローバル化したり、手掛けている事業が複雑化した場合は、生じるリスクの規模が一段と大きくなる可能性もあります。

事業リスクを完全に無くすことはできないため、リスクマネジメントを適切に行っているかは非常に重視されるポイントです。

何か問題が発生した際には、できるだけ損失を抑えられるかなど、このような判断基準や分析は、分析する機関などによって大きな差が生じます。

そのため、株式レーティングを投資で使う場合は、1社に限らず、複数の分析を確認するようにしましょう。

財務リスク

主に損益計算書や賃借対照表といった財務諸表で判断され、負債と資産のバランスの悪さや、収支バランスが悪いことなどのリスクを指します。

例えば、事業において収益率が悪化し、株主資本や配当原資が減るといったリスクがあります。

特に財務リスクの中で確認されるのが、借入金への返済能力と、大きな損失を将来被った際に倒産してしまう可能性についての2つです。

この2つを判断する際は、自己資本比率を利用することが多いです。

自己資本比率は、財務的に安定しているかを測定するための指標です。

事業で必要になる資金を調達する方法で、他人資本の負債割合が多い場合、市中金利が上昇することで外部に対し支払う利息が増えてしまいます。それとは逆に自己資本比率が高い場合は、財務的に安定していると判断されます。

金融機関以外の一般的な企業の場合は自己資本比率が40%以上であれば、ひとまず安心とされているため、この数値を1つの目安にしてください。

自己資本比率は、インターネットを利用し簡単に確認が行えます。

自己資本比率に限らず、アナリストによる分析は複数の要素に対し分析を行っています。

そのため、個別銘柄を選ぶ際に分析された結果が有効です。

財務リスクに関しても、分析の基である財務諸表は変わりませんが、アナリストの見方によって違った見解となることは多々ありますので、複数の結果を確認してください。

また、財務リスクは大きく分けて4つあり、詳細は以下の通りです。

  • 価格変動リスク
    →価格変動により投資資産の価値が上下するリスク
  • 流動性リスク
    →保有している資産を売買が減少するといった理由から売りたくても売れないリスク
  • 与信リスク
    →取引先が倒産したことで、本来もらえた代金が回収不可となるリスク
  • 資金調達リスク
    →貸借対照表において、資本に対する負債比率が上昇することで起きるリスク

レーティングを投資で活用する方法

レーティングを投資で活用する方法を2つご紹介します。

レーティングの変化を確認する

前述したように、レーティングは企業の経営環境や業績によって変わってくるため、レーティングの変化を確認し、企業の成長性や将来性が変化していないかをいち早く察知できます。

例えば、アップグレードしている場合は、企業において将来的な成長性が上昇している場合があり、投資チャンスであることを意味します。

反対にダウングレードの場合は、不安やリスクが増えている可能性があり、慎重に検討することが大切です。

高いレーティングの企業銘柄を選ぶ

評価が高い場合は、プロのアナリストによって複数の視点から評価を行った結果、企業が将来的に成長する可能性が高いと判断された企業です。

初心者が企業の財務状況や業績を判断することは非常に難しいため、プロによる判断を投資する際に参考とします。

当然、プロによる評価も確実なものではありませんが、プロのアナリストから高い評価を受けている企業を選択することは効率的な投資戦略といえます。

レーティングの活用で注意すべきポイント

レーティングの活用で注意すべきポイントは、以下6つです。

正確とは限らない

企業の成長性や将来性などを、証券アナリストが総合的に評価し定めます。

しかし、あくまでもアナリストの主観的な判断ですので、正確な評価とは限りません。

また、投資では専門家でも間違えることが多くあります。

評価するアナリストのスキルや経験により傾向が変わってくることもあります。

そのため、個々の評価傾向を把握することで、より適切に判断することが可能です。

途中で評価が変わる場合もある

レーティングの情報は、一度評価したら変更できないといったものではありません。

そのため、情勢が変化した際は何度でもレーティング評価が変更されます。

特に、レーティング評価を有名なアナリストが変えた際には、株価が大きく変動する可能性が高いため注意する必要があります。

例えば、有名なアナリストが「中立」を「強気」に変更した場合、株価が大きく上昇する可能性が高いです。

レーティングの情報は、頻繁に変化するものと理解し、常に最新の情報を確認しましょう。

公正でない可能性がある

それぞれの証券会社によって公表されているレーティングには、投資家に公平でない情報の可能性があります。

例えば、特定の企業銘柄が何らかの繋がりをどこかの会社と持っていた場合、実際は厳しい状況なのに結果が甘くなる場合もあります。

アナリストが中立的に調査・分析した結果なのか、それとも片方に忖度し判断された結果なのかを見極めることは非常に困難です。

レーティングが公正かを判断するためには、その他のレーティングや情報を確認したり、数を重ね特徴を掴んだりするしかありません。

レーティング情報はあくまで指標の一つということを理解し、レーティング情報だけで判断しないようにしてください。

すでに市場に情報が織り込み済みの可能性がある

レーティング情報が要因となり、株価が変動する場合があります。

しかし、レーティング情報の公表前に情報が株価に織り込まれている可能性が高いです。

投資の世界で、織り込み済みは使用頻度の高い言葉です。

経済指標などの発表前に、ほとんどの場合に数値が予想されているため、経済指標が実際に発表された後も予想と大きく離れていない限り、為替や株価はほとんど変わりません。

そのため、レーティング情報の発表前に、レーティング情報が株価にある程度織り込まれている可能性が高いです。

そもそもレーティング情報で株価が変動するケースはあまりなく、突発的な事象が発生した際や、決算内容により大きく動く場合があります。

レーティングの変化は市場を大きく左右する場合がある

レーティングを著名なアナリストが変更した場合、大きな影響を市場に及ぼす可能性があるため注意する必要があります。

例えば「弱気」が「強気」に変わった際には、株価が一気に上昇することがあります。

その反対に「強気」が「弱気」に変わった際は、株価が一気に下落することがあります。

多くの場合、すでに織り込み済みのはずですが、大きく変動することがないわけではありません。

トレンドが一気に変化する場合もあるため、変化を見逃すことがないように、レーティングが変動していないか注意するようにしましょう。

レーティングと格付けは異なる

レーティングと格付けが混同してしまっている人は少なくありません。

レーティング情報は、株価に対し評価の格付けを行うものです。

その一方で、格付け情報の場合は、銀行や企業などが持つ信用力を表したものです。

信用力とは、債務を返済する能力のことであり、高いほどランクも高くなる特徴があります。

例えば、格付けの段階がアルファベット表記の場合、最も信用力が高い場合は「AAA」、逆に最も低い場合は「D」となります。

まとめ

レーティングとは、投資を行う際の判断材料に対し、段階評価を行うことです。

株式レーティングの要素には、事業リスクと財務リスクの2つがあります。

レーティングを活用する際は、情報が正確とは限らない、途中で評価が変わる場合もある、公正でない可能性があるといった点に注意が必要です。

投資に興味を持っている、もしくは挑戦しようと思われている人は、レーティングの概要や要素、活用で注意すべきポイントについて十分理解した上で検討することが大切です。

この記事を書いたライター

Action Hub編集部

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